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「次!こうなったらシゲの秘密全部見てやる。そして化けて出てやる!」
「ふふっ。部屋に先回りする?」
「うん。うらめしや〜って邪魔してやる」
「ちなみにそういうのはできません。あれは本当に悪質な犯罪だからね、こっちの世界では。通常のサイクルにはまず戻れないよ。俺がいる限りそんなことさせません」
「ちっ」
「あははは!舌打ちした!」
手越さんが楽しそうに笑った。
もう。人の気も知らないで。
いや私の心読めるんだから知ってるくせに!
マンションに着く。
シゲの住んでるマンションはすごいいいとこで、うちなんかよりも広いんだ。
一度、「こっちに住めば?」って言われたことがあった。
嬉しくて、期待した。
でも素直にそのまま受け取って、飛び込む勇気がなくて、適当に返事してその話は立ち消えたような覚えがある。
あの時なんで即答できなかったんだろう。
どうしてだいすきな人に一緒に住もうって言われて素直に飛び込めないようなやつなんだろう、私。
でももし一緒に住んでたら、次の子と鉢合わせてたよね。嘘つかれたりして、もっと苦しかっただろうな。だからこれでよかったんだな。
どっちみちもう戻れないけど、って思ったら胸がしくしくした。
玄関のとこで待ってたら、シゲが鍵をガチャガチャ言わせて入ってくる。意外にも一人で帰ってきて拍子抜け。
玄関の靴箱の上に鍵をじゃきって置いてる。棚の上にはおしゃれな照明。
郵便物とかが隣に山積み。
「…ただいま」
棚の上の照明に向かってお話してる。ふふ。変なの。
あ、明るいとこで見たら、シゲ少し痩せたみたい。
帰ってきたシゲは、そのまま寝室に入っていく。ついていったら、以前見た時とは全然違う部屋になってた。
ベッドと小さな本棚とクローゼットしかなかった部屋に、大きな机と、大きな本棚。
机の上には書類が散らばっている。
シゲは散らばった書類をざーっとよけて、机の上で埋もれてたラップトップを開く。
ため息ついて、ディスプレイとにらめっこしながら何か打ってるみたい。
仕事が忙しいんだろうな、っていう予想はおおかた合ってたみたい。
持ち帰って仕事できる部署に異動になったのかな。
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ゆっちゃん - もうスッゴい感動です!いつの間にか涙腺崩壊してました(;つД`)またこのような作品が読みたいです! (2018年4月27日 0時) (レス) id: 690f139b43 (このIDを非表示/違反報告)
LOVE - 超感動で泣いてしまいました。マジ感動作。今回みたいな感動作また作ってください! (2017年3月31日 0時) (レス) id: 3e63f40173 (このIDを非表示/違反報告)
chi(プロフ) - 泣きました。そして話の中でのことすごく分かります。友だちに話の内容的なことを言われたばかりでした。すごい!と驚きました。 (2017年2月20日 0時) (レス) id: f8c9543924 (このIDを非表示/違反報告)
有咲(プロフ) - 初めまして。もう、毎回じぇにーさんにはキュンキュンさせてもらっているか、涙腺崩壊させてもらってます。遠回しな恋物語、なかなかくっつけさせない感じ大好きです♪これからも、頑張ってください!! (2017年1月8日 16時) (レス) id: fd3021356a (このIDを非表示/違反報告)
杏離サマ/@ラ(プロフ) - はじめまして。すっごい感動していつの間にかぼろぼろ泣いてました。次の作品も楽しみにしてます! (2016年12月18日 10時) (レス) id: bb5adfcd27 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:◯じぇにー◯ | 作成日時:2016年12月8日 23時