テヒョンさんとのおしごと。２

空っぽの春（TH side） ページ46

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TH side





韓国では未知のウイルスが流行し始め、それは瞬く間に俺たちの生活を一変させた。



どこへ行くにもマスク、そして徹底した手洗い、うがい、消毒。




こんな状況じゃライブや収録もできなくて、予定されていたスケジュールはごっそり無くなった。




他の国でも同じような状況らしい。

春を目前にして感染者が急増し、ヨーロッパやアメリカではロックダウン、日本では緊急事態宣言なんてものが発令されたと聞いた。





Aさんは今頃日本でどうしてるだろうか。
ちゃんと家にいて、感染もしていないといいな。





ぼーっとニュースを眺めながらそんなことを考える。







RM「 テヒョンア、ニュースばっかり見てても良くないぞ 」






「 ……あぁ、うん。 」






RM「 運動でもする？ 」






「 ……今はいいや。また誘ってください。 」






RM「 そうか、。 」






ナムジュニヒョンは読書や絵画鑑賞、運動だったりに気持ちを発散してうまくやってるみたいだ。




他のメンバーもまた新しい趣味を見付けようと模索したり、友達と流行りの " オンライン飲み会 " なんかをしている。




だけど俺はそんなやる気も起きなくて、ただ毎日をぼーっと過ごしている。

みんなもそれに気付いているのか宿舎の中で顔を合わせると、一緒に何かしようと誘ってくれる。





普段の生活じゃできなかったようなことができるまたとないチャンスなのかもしれないけれど、それよりも仕事を休まなければいけない焦りや先の見えない不安の方が気になってしまう。





時間が止まっていて、なんだかずっと空っぽだ。






窓の外では花が咲き始めた。


そういえば今日から4月になったみたいだ。





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