クマ ページ21
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寄り道をしながら私の住むマンションに着いた。
幸い、車を降りてから部屋に入るまでは誰にも会わなかった。もし会ったとしても誰もこんなところに世界的大スターの彼がいるなんて思わないだろう。
『 …こんなところでごめんね、? 』
TH「 ううん、なんか……おちつく 」
彼が自分の部屋にいる違和感がすごくて、ほんとに現実なのか何度も疑ってしまう。
ソファに座った彼はほんとに落ち着いてるのか怪しいほどにずっとキョロキョロしている。
よそのお家から遊びに来た子供みたいでかわいらしいな、なんて思ってしまう。
TH「 あ、いまぼくをみてわらった 」
『 笑ってないよ!笑ってない! 』
TH「 ぜったいわらった。…ふーん、もういいよ 」
『 ……ごめんね、ちょっとかわいくて、笑 』
TH「 なっ、もう、……うそつくひとには、プレゼントあげないよ 」
『 プレゼント? 』
TH「 うん。……Aさん、すきかなあって 」
ちょっとムスッとしたテヒョンさんがバッグから出したのは小さな白い紙袋。
拗ねた表情のまま私に差し出す。
『 わ、……開けていい? 』
少し間を空けて彼の隣に座りそう聞くと、恥ずかしそうに頷く。
紙袋をそっと開くと小さな箱が出てきた。
そこには誰もが知る高級ブランドのロゴが書かれていて。
『 へ、これ…… 』
TH「 開けて 」
言おうとしたことを遮るようにそう言われて、私は手元に視線を戻し、リボンをほどく。
箱のふたを開けると、そこには小さくてキラキラしたクマのチャームがついたキーリングが入っていた。
『 かわいい…… 』
思わず口からそうこぼれてしまうほどかわいくて、私の好みにドンピシャなそれ。
TH「 気に入ってくれた…? 」
『 うん、!!すっごくかわいい……!!
……でも、こんな高そうなの、 』
TH「 ……ぼくをだれだとおもってるの 笑 」
冗談っぽくそう言ったテヒョンさん。
『 でも…… んんん、やっぱりもらえないよ、 』
TH「 …Aさんにあげたくて かった 」
申し訳なくなった私に、テヒョンさんはしゅんとしてそう言う。
TH「 もらってくれたら、ぼくが、うれしいから 」
『 ……いいの? ありがとう、ほんとに嬉しい。
大切にするね 』
迷った末にそう言うと、" それでよし " なんて、わざとらしいドヤ顔をする。
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まこ(プロフ) - ゆーみさん» 不定期で申し訳ないです( ; ; )続編でもよろしくお願いします! (2021年5月5日 3時) (レス) id: 7510ce0228 (このIDを非表示/違反報告)
まこ(プロフ) - 杏奈さん» ありがとうございます!!( ; ; )今後もぜひ見守ってください!( ; ; ) (2021年5月5日 3時) (レス) id: 7510ce0228 (このIDを非表示/違反報告)
まこ(プロフ) - riyaさん» わ〜〜いつもありがとうございます( ; ; )続編でもよろしくお願いします! (2021年5月5日 3時) (レス) id: 7510ce0228 (このIDを非表示/違反報告)
まこ(プロフ) - チヒロさん» ありがとうございます( ; ; )すっごく嬉しいです……!ご期待に沿えるよう努力します! (2021年5月5日 3時) (レス) id: 7510ce0228 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーみ(プロフ) - 更新楽しみにしています!! (2021年4月27日 9時) (レス) id: 7ed0007cba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まこ | 作成日時:2021年1月16日 19時