愛した人�� ページ28
ーー煉獄家の女中となり、1週間が過ぎた。
煉獄さんや千寿郎君とは まるで前からの顔馴染みであったかのように初日から打ち解けることができた。それはあの二人の心が寛大であることを意味していて感謝冥利に尽きる。
一つ、気がかりなのは煉獄家のお父様の存在だった。
一週間も経つのに顔も見ていないし勿論の如く挨拶すら出来ていない。さすがに失礼なのではないかとモヤモヤが取れない。
お父様が暮らす上での必要な事は煉獄さんや千寿郎君が仲介となっており近付く機会がなかったのも事実。
ーーどんな方なのだろう。
千寿郎君はお使いに、煉獄さんは昼間の任務のため不在だった。
ーー私は昼の軽食を作り、意を決してお父様に遅れながらの挨拶をしに行くことにした。
……かなり緊張している。
お盆に食事を乗せて、お父様のいる部屋へと向かった。
お父様の部屋は、西の奥の部屋だった。日中だというのに廊下が薄暗いのは故意に出窓を簾で光を遮断しているからだった。
『ごくり……』
お父様の部屋の戸の前に静かに座り呼吸を整える。
コンコン……
ーーー返事がない。いないのか？
も、もう一度。
コンコン……
｢誰だ。｣
低い声が小さく響いた。その声質からして威厳のある存在であることがわかる。
『し、失礼してもよろしいでしょうか…』
｢……入れ。｣
こ、こわい！！！は、……入るぞ？
ゆっくり戸を開けると、こちらに背を向けて肘で頬を突きながら側臥位の状態のまま布団に入っている後ろ姿が見えた。
髪はやはり煉獄さんらと同じだった。
そして、その周りには酒の空き瓶が散乱していた。
ーーー煉獄さんが私に中々お父様のことを喋らない理由が理解出来た。
『失礼します。』と中へ入り、持ってきた食事を自分の横へと置き、ゆっくりと戸を閉めた。
お盆を持つ手がカタカタと小さく震えた。
聞こえぬように深呼吸をして両手を前につき、頭を下げ挨拶を口にする。
『あ、挨拶が遅れまして申し訳ありません。先週から煉獄家に女中として つ、遣わしゃせていただいておりみゃす Aと申します！！！』
ーーひええええ！！！噛みまくった！！！どうしよう！泣きそう！！！
頭を両手につくほど下げていたため、お父様の様子はわからないが反応がない…。噛みすぎて何言ってるか伝わらなかったのだろうか。恥て耳顔共に真っ赤になっていたため顔も上げられなかった。
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シレン(プロフ) - Lastさん» ご指摘ありがとうございます！いやいや、お恥ずかしい！！すぐ治します！！ (2020年11月1日 1時) (
レス) id: 5c1c19fa9a (このIDを非表示/違反報告)
Last(プロフ) - この作品いつも読んでます！！ただいま�，覇�輪刀が日輪等になってましたよ。これからも投稿頑張って下さい！！ (2020年10月31日 23時) (レス) id: 7e2a5ee326 (このIDを非表示/違反報告)
シレン(プロフ) - よるさん» コメントありがとうございます！くっつくまでの過程が大好物です！！ (2020年10月31日 22時) (レス) id: 5c1c19fa9a (このIDを非表示/違反報告)
よる - 焦ったい…大好物です！！！ (2020年10月31日 21時) (レス) id: 857d9d8983 (このIDを非表示/違反報告)
シレン(プロフ) - ましゅさん» コメントありがとうございます！楽しんでいただけるように頑張ります！ (2020年10月30日 14時) (レス) id: 5c1c19fa9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シレン | 作者ホームページ：https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=16108143
作成日時：2020年10月26日 3時
