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もうすぐ予報では止むはずなんだけどなぁ。
まだ止む気配がなくて走る覚悟を決めなければと思い始めた頃。
「A！」
声がする方に目をやると傘を持って息を切らした敬太。
『敬太、どうしたん？』
「アホか、どうしたんちゃうやろ」
『え？』
「Aのクラス行ったらもう帰ったって言われるし、Aんち行ってもまだ帰ってないって言われるし。雨の中どこ行ったんかと思ったわ。」
『歩いてたら降ってきたから雨宿り？』
「スマホは？」
鞄からスマホを出して開くと敬太からのメッセージや着信がたくさん残っていた。
『ごめん、全然見てなかった』
「…めちゃくちゃ心配したわ」
『ごめん』
「やっぱり無理矢理でも乗せて帰るべきやった」
『…でも下校の時、敬太誰かと話してたし』
「え、誰？ていうか声かけーや」
『…女の子と楽しそうに話してたくせに』
「は？」
心配してもらって迎えに来てもらって。
嬉しい反面、幼馴染だからって思いが消えない。
そんな理由で敬太に当たろうとしてしまった自分が一層嫌になる。
『…何でもない』
「何やねん」
『帰る』
弱くなった雨の中をそのまま歩き出す。
「A、まだ降ってるって」
傘に入れてくれて所謂相合傘状態。
だけどこれだって敬太からすればただの幼馴染だからやってること。
悲しいんだか悔しいんだかわからなくなって涙が溢れそうになる。
無言のまま自宅に到着した。
『…今日はごめん、ありがと。明日からは歩いていくから。』
「A…？」
敬太を視界に入れると泣いてしまいそうで、顔も見ずにそのまま自宅へ入った。
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透(プロフ) - みりんさん» ありがとうございます！これからもゆっくりまったりと、にはなりますが楽しんでいただけますように💫 (2023年2月13日 14時) (
レス) id: 8f642d296a (このIDを非表示/違反報告)
みりん - 全部読ませていただいてます！話の作りが最高で更新楽しみにしています☺︎ (2023年2月12日 0時) (レス) id: 4b4581572e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：透 | 作成日時：2023年1月30日 15時
