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チャイムを押すと誠也くんが不機嫌そうな顔で出て来る。
まだ出かける準備はできていないようだ。
「誰…A？」
『頑張るって何時？』
「…ごめん」
部屋はまだ電気もついていない。
『はぁ…』
「ごめんて」
『前に雨の日が嫌いになった理由聞いたの覚えてる？』
「えー」と覚えてなさそうな顔をする彼。
『誠也くん、車濡らしたくないって言ってんで』
「あー、それはあるかも」
『ほんまは？』
「…ん？」
とぼけた顔をしている誠也くんに近付いて目をじーっと見つめてみる。
「…何やねん」
『ほんまのこと言ったら許す』
「は？」
『だって今のままやと私は車より大事にする価値ないってことやん。そんなん嫌やもん。それなら別れて私を大事にしてくれる人探す。』
「いやいやいや、ちゃうやん」
『…じゃあ別れる』
「ちょっ、待ってや…」
目が泳ぐ彼を見てため息が出る。
「…A？」
少し不安げな視線をこちらに向けてくる。
『雨の日、体調良くないん？』
「え…」
『友達にもおんねんけど、雨の日は気圧のせいで体調悪いねんて。誠也くんは？』
「…あんま良くない」
『何で言わんの？』
「…A、心配してくれるやん。雨の度に心配させるの悪いなって。」
『嘘つく方が悪いって思って欲しいんやけど』
「そん時だけやと思ってん」
あまり甘え上手とは言えない彼は、弱音を吐くのも苦手らしい。
『規則正しい生活が良いねんて』
「…頑張ります」
仕事の関係で難しいこともあるだろうが、少しでも意識すればマシになるかも知れないし。
『よし、じゃあ今日は何食べたい？』
「んー…」
『リクエストがないなら適当に買って来て作るけど』
「今から買いに行くん？」
『うん、もしほんまに別れることになったら困るなぁと思って何も買って来てない』
「え、本気やったん？」
『本気じゃないけど誠也くんも私も引けんようになったら、と思って』
「そんな想像すんなよ」
まぁ単純に早く誠也くんの顔を見て安心したかっただけなんだけど。
「着替えるから待ってて」
『え、良いよ。寝ときよ。』
「嫌や、余計体調悪くなる」
『何でやねん』
「…A来てくれたらちょっと落ち着いた。運転は止めとくけど荷物持ちぐらいならできる。」
誠也くんはそう言って着替えに行った。
▽△▽△▽△▽△▽△
誠也くんを体調不良にしてすみません。
私はそこまで酷くないんですが、気圧の変化って厄介ですよね。
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透(プロフ) - みりんさん» ありがとうございます！これからもゆっくりまったりと、にはなりますが楽しんでいただけますように💫 (2023年2月13日 14時) (
レス) id: 8f642d296a (このIDを非表示/違反報告)
みりん - 全部読ませていただいてます！話の作りが最高で更新楽しみにしています☺︎ (2023年2月12日 0時) (レス) id: 4b4581572e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：透 | 作成日時：2023年1月30日 15時
