こんにちは、恋歌。 Ⅱ (ページ33)

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「風呂沸かしたってるからちゃんとあったまりや」

『…うん』

久しぶりの健くんの部屋は少し変わっていて時間の経過を感じてしまう。

だけど私のものは以前と変わらず並べられていて、それだけでも少し嬉しくなる。

『お風呂ありがとう』

「んー、俺も入って来るわ」

私の頭をポンッとして入れ替わりに浴室に入って行く。

その後ろ姿を見送ってからソファに座る。

無造作に置かれている健くんの部屋着からは以前と変わらない柔軟剤の香り。

…変態か、私は。

なんて思いながらもその香りに安心して瞼が閉じてしまう。

やっぱり安心が1番の睡眠薬だ。

「Aさーん」

頬をツンツンとされて目が覚める。

目の前には健くんの顔。

「シャツ返してよ」

少しボーッとしたままシャツを渡す。

「はい、ありがと」

受け取ったシャツを着て「さて」と私を持ち上げる。

『え！？』

「A眠いんやろ」

『歩ける！』

「ほんまに？今日は甘えたなんかと思って甘やかしてあげてるんやけど」

目の前の彼の顔が優しくて心の声が溢れてしまう。

『…このままが良い』

「じゃあ行きますよー」

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