こんにちは、恋歌。 Ⅱ (ページ18)

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一年前───

よく晴れた日だった。

その日の夜は友達と花火をしようと計画していて、花火やお菓子を買いに行っていた。

『あつ…』

夕方でも気温が高くて体力が無駄に奪われている気がする。

昨日の夜にでも買っておけば良かった…

というかジャンケンに買っていれば買い出しになんて…

うだうだと考えながら歩いていると車から降りてくる誠也と彼女が見えた。

…タイミング悪いなぁ。

だけど以前見かけた時のような雰囲気とは全く違う。

喧嘩してる？

彼女が誠也を置いて歩いていってしまった。

気まず…。

とはいえこの道を通らないと家に帰れない。

バレないように道の端をこっそりと歩いてみる。

「…A」

…そう広い道ではないので当然バレる。

『…はい』

「見られてたか」

『…いや、ほぼ見てない。まじで今さっき気付いただけやし。』

「別にええって」

『…大丈夫？』

「…わからん。仕事を理由にあんまり会ってなかった自分のせいやし。」

彼女が去って行った方を見つめながら話す誠也。

「今更やけど自分でもアホやと思うわ」

無理に笑っているようで見ていられなかった。

『ん』とハンカチを差し出す。

「え？」

『なんか…必要かと思って』

彼は少し微笑むとハンカチを受け取った。

「こんなとこで泣かんわ」

『幼稚園の頃はよく泣いてたやん』

「いつの話やねん。とりあえず借りとくわ、ありがとう。」

あの日からまた頻繁に連絡を取るようになったんだっけ。

そして心の奥に眠らせていた彼への想いも引っ張り出してしまった。

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