こんにちは、恋歌。 Ⅱ (ページ42)

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当日───

少し早めに起きてお弁当を完成させる。

…うん、売っているものには及ばないけど結構頑張れたんじゃないかな。

誠也着いたー

外に出ると誠也くんの車が見えた。

お弁当を傾けないように歩いて側まで行くと、誠也くんが車から降りて来て助手席を開けてくれる。

「Aおはよ」

『おはよ』

「何わろてんねん」

『何か…王子様みたいやった』

「尚更笑うとこちゃうやん」

『ごめんごめん。久しぶりに会えて嬉しくてにやけただけ。』

「…ごめんな、うちこの時期どうしても忙しくて」

『仕方ないよ。うちも繁忙期はバタバタやもん。』

それでも会えたんだから幸せだなって思いながら、鼻歌混じりに運転する彼の横顔を見つめる。

それを聞いているのも、その姿を見ていられるのも幸せだと実感できて大好きな時間。

「あんま見んな、恥ずいわ」

『誠也くんやっぱり歌上手いなーって』

照れて一旦止まってしまった鼻歌はしばらくすると再開される。

彼の車の助手席から見る景色は自分で運転している時より何倍も輝いて見えた。