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駅に着いて改札を通る。
晶哉の言う通り、この辺はいつでも人が多い。
油断すれば見失いそう。
「さむー」と呟きながらもこちらを気にかけてくれている。
ダッフルコートのポケットにスマホを入れ直して彼の横に並んだ。
「どっから行こか」
歩きながらあちこちの店を見て回る。
クリスマス間近ともなると、どのお店も可愛くてキラキラと装飾もされている。
夢中になりながら歩いていると、急に死角から現れた人に驚いて少し晶哉にぶつかる。
『わっ』
「大丈夫？」
『うん、キョロキョロしてたから気付けんかった』
「危なっかしいなぁ」
何て事のない会話だけど本当は気付いてる。
ちょっと肩が触れる度に晶哉がこちらを気にしていることも。
その手が何度か私の手を掴もうとしていたことも。
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作者名：透 | 作成日時：2022年12月9日 6時
