こんにちは、恋歌。 (ページ39)

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佐野晶哉、唯一同じ中学校からこの高校に進学した友人。

そして私の好きな人。

いつからかお昼休みに屋上でお弁当を食べながら話すのが日課になっていた。

その日あったことや最近のオススメの曲、いろんなことを話していた。

高校一年生夏───

『告白した！？』

晶哉に好きな人がいるのは知っていた。

吹奏楽部の3年生の先輩。

笑顔が可愛くて優しい、私も大好きな先輩。

「うん、しっかり撃沈したわ」

そう言って笑う彼。

「まぁわかってたけどさ、引退しはるから伝えたかっただけで」

何てことない、というように話す口調とは対称的に涙が零れていた。

『晶哉…』

「ごめん、何でもないねん」

「何で泣いてんねやろ」と笑いながら頬を拭っている。

その姿まで絵になるな…なんて思ってしまう私は少し歪んでいるのかも知れない。

告白をしていなくても失恋をしている私は今の晶哉の気持ちが少しわかる。

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