こんにちは、恋歌。 (ページ36)

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『そちらは？』

「あーっと…友達？」

『へぇ』

「貴女が彼女さん？」

『…今のところ？』

「ふーん」

「今のところって…」

『大晴の気持ちは知らんけど』

空気が重くなってきたタイミングで注文したメロンソーダが届く。

アイスを掬い一口。

ひんやりとした甘さが広がる。

『大晴、最近よくスマホ触ってたよな。相手はこの方？』

「あー、まぁたまに。」

「大晴くんってマメですよね。毎日連絡くれて優しくて。彼女さんが羨ましいなぁ。」

『マメ、ねぇ』

ペアリングに触れながら過去を思い出す。

確かに意外とマメなところはあった、少し前まで。

…あぁ、やっぱりそういうことなんだな。

気付いてしまった以上、もうこんなところにいたくない。

指輪を外してテーブルに置く。

「A？」

何でそんなに悲しそうな顔をするのか。

財布からお札を一枚出して指輪の横に置く。

『後はどうぞお二人で』

そう言い残して店を後にする。

…メロンソーダ少ししか飲めなかったな、なんてことをふと考えてしまう。

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