こんにちは、恋歌。 (ページ29)

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少しの間、電車に揺られて到着したのは水族館。

そして「じゃーん！」と小島くんの手にはチケット。

『チケット代渡すよ』と言っても「カッコつけたかっただけやから笑」と受け取ってもらえない。

「あ、じゃあ代わりに後で一つだけお願い聞いてよ」

『うん、どんな？』

「それは後からのお楽しみってことで」

水族館の中は日曜日ということもあり、たくさんの人がいる。

「次あっち行ってみよか」

『うん』

歩き始めたタイミングで近くにいた子どもが急に方向転換をしてぶつかりそうになる。

無事に避けたものの少しよろけてしまった私を小島くんが支えてくれた。

「大丈夫？」

『うん、急やったからびっくりしただけ』

「人多くて危ないしさ…手繋いでていい？」

『…うん』

「逸れやんようにね」

心臓は飛び出てしまいそうな程に高鳴っていたが、何とか悟られないように次の水槽へと移動した。

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