こんにちは、恋歌。 (ページ27)

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10月───

頭の中を小島くんと夢がぐるぐるぐるぐる…

なんて毎日を過ごしていると月日が過ぎるのは早いもので、中間テストも無事に全教科を終えることができた。

終礼前の教室が安堵感に包まれざわついている。

私も友人達と「あのひっかけ問題はズルい」だの「予想した問題が出なかった」だのと雑談をしていると、何処かから「Aちゃーん」と呼ぶ声がする。

声の主を探すと、廊下から小島くんが手招きをしていた。

「お、人気者から呼び出しやん」と茶化す友人を窘めながら廊下へ向かう。

「友達と話してるところごめんな」

『全然大丈夫。どうかした？』

「明後日の日曜日、俺とデートしませんか？」

『デ、デート！？』

「うん、どう？」

『え、えっと…2人ってことやんな？』

「できればね。とりあえずAちゃんと一緒に出かけたいなぁって。」

『…私で良いなら…』

「Aちゃんが良いねん！」

ニコニコと笑いながら心臓に悪い発言を繰り返す彼に、思わず驚きの表情を向けてしまう。

「何その顔。笑」

『小島くんが変なことばっかり言うねんもん…』

「えーそう？俺、結構わかりやすかったと思うけど。Aちゃんがあまりにも気付いてくれへんから作戦変更してみた笑」

『…そんなこと言うと勘違いするって』

「勘違いちゃうよ。じゃあまた連絡するな」

手をひらひらさせながらクラスへ戻る小島くんを見送り、唖然としながらも友人の元へ戻る。

「顔赤いで、告白でもされた？」

『よくわからんけど…デートすることになった。』

「まじで！遂に言ったか小島！」

『遂に？』

「めっちゃわかりやすかったもん。だから小島モテるのに誰も告白せえへんの。」

そんなこと初めて知った。

「遂にAも彼氏持ちかー」と言う友人に『ほんまかわからんって』と返すのが精一杯だった。

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