こんにちは、恋歌。 (ページ20)

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昨日───

仕事から帰宅すると敬太がいた。

いつもと違うのは持っていた鞄に彼の物が全て詰められていたところ。

『あれ、来てたんや』

「うん…」

『荷物どうしたん？』

「…あのさ…」

少し言いにくそうな姿に違和感を覚えて彼の横に座る。

『どうしたん？』

「これ、返すわ」

私の部屋の合鍵を渡される。

いくら私でもこの行動が意味することは理解できた。

『え…』

「ごめん、前から伝えやなあかんとは思ってたんやけどなかなか言えんくて…」

『な、んで…』

「…仕事、これからが踏ん張り時やねん。今まで以上に会われへんようになる。」

頭では理解できた。

これから彼らが目指す先も、その時に私はいない方が良いことも。

わかってはいても心が付いていかない。

『それでも良い！今までだって敬太の仕事の邪魔にならんようにって』

「Aにばっかり気使わせてた。俺のワガママやん、そんなん。」

『…そんなこと思ったことない…』

「Aはもっと大事にしてくれる人と一緒におってほしい」

『そんなんおらん』

「おるよ、絶対。俺のこと忘れてくれても良い。嫌いになってもいい。でも…」

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