LAST / Love Song...

映像の中の笑顔 ページ7

コンサートの日の朝。


『これ！私からのプレゼント♡♡✧*』 って








風香ちゃんが1枚のDVDディスクと共に渡してくれたのは

風香ちゃんのワンピースと色違いのワンピース





それは海のように深いブルーのワンピース｡｡｡







風香ちゃんはそれを渡してくれながら


『いつか咲良と2人で姉妹コーデ……してみたいな……』って



少しだけ寂しげに…



だけどそれを隠すように笑って


『…いつか一緒に着てデートしよう！』 って



そう笑っていた






私はといえば突然のプレゼントに少しだけ驚いて



風香ちゃんの言葉に少しだけ戸惑いながら

『そうだね』 って答えて………






それからJSBに……



いや。きっと



臣さんに逢いに行く背中を見送って…






だけどそのすぐ後




看護婦さんがそっと涙ぐんでいるのを見て





" そういうコト……なの……?" って




……少し怖くなって｡｡｡





だから私はバタバタと音を立てながら慌ててDVDをプレーヤーに挿し込んだ






しばしの沈黙



それからカメラをセットする風香ちゃんか映り込んで





『ハローマイフレンド♡♡……って。ちゃんと映ってんのかなコレ………(╥ω╥`)』



そう いつもの風香ちゃんが話し掛けてきた





『……1足先にJSB見に行く私を咲良は本当は少しだけズルいって思っちゃった…かも知れないけど……ホントにごめん‼ 』




映像の冒頭部分はそんな風に始まった





『…………多分、もう咲良も気づいてるからこそコレを見てるんだよね…きっと……』



静かに語りかける風香ちゃんの笑顔を


私は…


息を呑むようにして見守っていた






そこに映る風香ちゃんの笑顔は


いつもの笑顔だけど


いつもの笑顔じゃなくて



健康的で儚くて


儚いのにイタズラで





だからすぐに分かってしまう





こんな顔は私もよくする顔………


…… "嘘つきな笑顔" ……





『……主治医には無理やりお願いしちゃった((笑))……だって最後くらいは素直になりたかった……素直に大好きな人の処へ行きたかったし……行かなきゃ後悔するって……』




画面の向こう、囁く風香ちゃんにそっと「……うん…うん」 って私は頷く




そして

風香ちゃんの言葉達に私は頷きながら涙を流した




もう気付いてしまったから……



もう私はきっと


『咲良…私、あんたが大好きだ！』



画面の向こうで締め括る



……この子には２度と逢えない事………｡｡｡

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