LAST / Love Song...

夕飯と胸の痛みと揺れる気持ち ページ25

波打ち際のお散歩を終えて

「…帰り、何か食べて行こうか？咲良ちゃんは何食べたい?」

隆二さんが微笑んでくれて


私はとっさに「……ハンバーガー食べたい…です」って答えた



だって私


隆二さんと2人きりでレストランなんか行けないよ……




行ったらきっと



自分の気持ちが動いちゃいけない方に動いちゃう気がする…




そして

そんな気持ちは隆二さんには簡単に

……見透かされてしまう気がするから………｡｡｡







本当は食べるものなんてなんでも良い



ただ。


気持ちが動くのも


それを見透かされてしまうのも


ひたすら怖い……｡｡｡





気持ちが動いちゃえば

それを見透かされちゃえば

ファンでさえ居られなくなっちゃう



……そんな気がして怖い………｡｡｡









「オッケ。ハンバーガーね……そういえば俺、ハンバーガーなんて久しぶりかも」


ハンバーガーショップを目指しながら運転する隆二さんの横顔





車窓を流れる街の夜景とセンスの良いBGM…｡｡｡




そのどれもが私を変えていきそうで




私は助手席側の窓の外ばかりを見ている…｡｡｡





このまま傍に居たいって気持ちと


でも2人きりは怖い……そんな気持ちと｡｡｡



2つの気持ちが私の中でシーソーみたいに揺れている









「そうだ！せっかくだからショップじゃなくてどこか別の所で食べよっか？」



そんな優しい声の提案で



隆二さんの赴く方へ車はゆっくり走り続ける







そして



「…よし着いた……」


やがて辿り着いた場所……｡｡｡






そこは



「……綺麗………」


思わず感嘆の声が出てきてしまう程に夜景が素敵な場所……｡｡｡





「でしょ？」


私の感嘆の声にイタズラそうに笑ってくれる笑顔は






私を助手席に置いたまま先に外に出てゆっくり歩き出して

夜景を背景にしながら

私に "おいで" って小さく手招きをしてくれる







……綺麗だなぁ…って思った


涙が出ちゃいそうなくらいに眩しいな…って思った





でもね


それは


夜景 じゃなくて





隆二さん………なんだよ……｡｡｡｡









それでも…



その時の私はまだ


"ダメだダメだ‼" って



"好きになっちゃダメだ ‼" って




抗えそうにもない気持ちと精一杯に闘っていたんだ……






ねぇ隆二さん？



『2nd.Mission』



それは泣きたいくらいに大成功だったよ………｡｡｡

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