BLACK OUT _偽恋_

NAOTO ページ29

少しずつ近付いてくる亜嵐は
そーっと手を伸ばしてくるから

俺は
吸い込まれるようにその胸に収まってしまう


『俺、なんとなくJOKERが見えた気がする,,,』

俺を抱き寄せたまんま亜嵐の声が響くから
つっ…っと顔をあげるけど、

亜嵐は俺の顔,ぐっと亜嵐の胸に収めて

『だって11番のくじって本来ならさ、１番くじと同じ役割な気がするんだよ、"好きな人を選べる" って意味で,,,けど臣先輩はデート破棄してたよね,,,それってなんで？』 って問いかけてきた

へ？なんで…？
なんで,って,

臣はくじ引きの後

今の亜嵐と同じような事思って
「誰も選ばなくていいの？」って聴いた俺に

「…自分が狙ってる人が両思いっぽいから邪魔したくない,って言ってた…けど」

俺は臣の言葉をそのまま亜嵐に伝えて

そして

ん？って
あれ?って思った

「もしかして臣が狙ってるの俺か亜嵐だったり。なんてことない,,かな,,」

ホントに本気でそう思ったんだよ？

だから言ったのに
俺の呟きに亜嵐は少し俺を見てぶはって笑ってから

『俺、ナオトさんのそーゆう所が好きなんだよ,単純で純粋で,か,わ,い,いﾄｺﾛ,,,』

キスしそうな距離＿

可愛いって言葉に
やけに重みを置きながら云うから

俺は

ぞくっ、とする怪しさを感じながらも

「そんな事言うなよ、っ//からかうなっ!!」って。
完全に真っ赤になってしまってた


ダメだ

多分俺はもう
臣がJOKERとかそんなのどうでもよくて

ブルーのネオンライトに灯される亜嵐しか見えなくて

ひたすらドキドキさせられて 欲しくて､､


艶を含んだ声で亜嵐が

『イケないことしちゃう,？』そう誘った時

俺は待ってたみたいに硬く眼を閉ざしてた

それでも

「JOKER 『…じゃないってば,,』

重なる手前
笑ってみせた亜嵐の瞳はJOKER並みに悪戯で

だから俺は腹を括ったんだ


"もうどうなってもいい"


もし亜嵐がJOKERだとして
Angelに救いを乞うために俺を利用していたって

俺はそれに "気づかないふり" をしよう,,,って


ねぇ、亜嵐,,,

そう思った時に
ハッキリ解ってしまった想いがあるんだよ,,,


俺は亜嵐がJOKERだろうと、
臣がJOKERだろうと関係ないくらいに

…亜嵐が好きで、

俺のゲームの行方はもう全部亜嵐が握ってるんだ__って,,,


『好き』とか『愛してる』とかまだ、わかんないけど

…解んないんだけどさ,,,

それでも

亜嵐へのこの想いに名前を付けるなら
『愛』だとか『好き,,』だとか


…それだけしか見当たらないよ,,, ……

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