REAL _最初で最後の恋_ 2

バージンロードと青い空 ページ15

三代目。

そんなネームを背負った健二郎との
バージンロードは

青い空の下

メンバーと身内と
それから限られた友人たちだけの小さな式＿



新婦控室

そんな部屋で健二郎を待つ私に

トントン

小さくノック音がして

がチャリ。と健二郎が扉を開けたのはすぐで

私は

思いっきり

本当。思いっきりに真っ赤になってしまった_


だって

『なんかこういう服ってホンマに堅苦しいなぁ』

なんて言いながら肩を軽く廻す健二郎が

なんていうか

なんていうか

ものすごくものすごく素敵…だったから…


ヤバいと思って
真っ赤になった頬を隠そうとしたけど

『花嫁さんって感じやな』

健二郎はふっとそう言ってニッカリ笑うから

真っ赤…隠せなくなった


「…花嫁さんだもん…」

そう言いながらも真っ赤で

けど

そんな真っ赤な私に健二郎は笑いながら

『花嫁さんやもんな…』 そうまたニッカリ笑った


_俺の。

そう笑うから私はまた1つ "ズルイ" と思った

だけど今日は

「ズルイよ」 って正直に言えた


そんな私の言葉に健二郎は『なんでやねん』 笑うから

"健二郎はズルイんだよ！"

私は更に赤く染まりながら言った


いつもいつも私の心持ってってズルイ！
いつもいつも私のコト好きにさせてズルイ！


そう言って

"いつもドキドキさせてズルイ！"

そう言ったら

健二郎は.ははっと笑って

『最後のは俺も…そうやねんけどなぁ』 って

ヒトリゴトみたいに笑った


_俺もけっこうドキドキしてんねんけどなぁ…


そんな事を
そんな笑顔で

そしてそんな服を着て言う健二郎はやっぱりズルくて

だから私は 「やっぱりズルイ」 思ったまま言った


『なんでやねん』

また笑う笑顔はまたズルイくらい急に真顔になって

"なぁ。" そう言った

…ん？

そう問いかける私

健二郎はそんな私の頬に軽くキスを落としてくれて言った

＿これからも傍におれよ…？_


そんな言葉に私の言葉なんて1つだけ

_当然！


そんなやりとりだけで幸せだった

キスをしかけて
止めたのは健二郎いわく

"後のお楽しみ" らしくて

私は "なにそれ" そう1つ笑った


ゴーンと鐘が鳴って


_行きますか？

健二郎がそっと手を摑んでくれるから私も

_行きますか

そっとその手を掴み返した



11月。鐘の音.青い空_


ふたりで歩き始める新しい世界
れから始まる新しい世界

_山下梨香として生きる世界_


あの頃描いた幸せな夢は

キラキラと何処までも優しく私達に微笑んでくれていた



fin,

期間限定。作者のどうでもいい話（笑）→←番外編。 _健二郎side_

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