愛せ始めた三代目 _23歳_ ページ22
サングラスと深めの帽子と
俯き気味の横顔に連れられて入った健二郎の部屋は
"いつか広い部屋で過ごそうな？"
あの頃暮らした狭い部屋で
健二郎が思い描いた通りの広い部屋だった
広いリビングと
広い寝室と
それから広いバスルーム
ひとりで暮らしてるとは到底思えないその無駄に広い部屋は私にそわそわと落ち着かなさを感じさせたけど
それでも所々で健二郎の趣味の釣り道具が並んでいたり
趣味のDIYが見え隠れする部屋は
やっぱり家主が健二郎なんだって事を間違いなく私に教えた
「…すごい部屋だね…」
口にした言葉はそんな情けない
呆気にとられてる心を丸写しにしたような言葉
『すごいやろ』
健二郎はそう笑ったけど
それでも私にはなんだか少し寂しそうに見えた
ふと思ったコト
こんな部屋に住むまで健二郎が大切にしてきたものは何だったんだろう…
時間と体力と精神力と
それからきっと並々ならぬ努力…
だからこそ感じた事
「…本当に頑張ってるんだね…」
口にしたら単純で頼りなくて半分も届かないかも知れないけど
本当に心からそう思った
三代目がどうだ。とか
近いからとか遠いからとか。
そんな些細な事につまづいてばかりの私には
その部屋も
今の健二郎も
やっぱり果てしないくらいに眩しくて
だから私は "ごめんね"
ようやくにしてあの頃言えずにいた言葉が込み上げてくる
本当は健二郎には私の "応援" なんて必要じゃなかったのかも知れない
健二郎は私の応援なんかなくても此処まで来たのかもしれない…
なのにあの頃の私は
健二郎を応援しなきゃ！って無駄に言い聞かせて
それが出来ないことに苛立って
自分を嫌ってそして健二郎を傷付けて
…そして健二郎の夢ごと拒否し続けていた…
ごめんね
もう一度呟いたのは健二郎に対してじゃなく
健二郎の夢…に対して…
…憎み続けた"三代目"…そんな肩書に対して…
三代目さえなければ。
デビューなんかなければ。
芸能界なんてなければ。
馬鹿みたいに憎んだ私はやっぱりただただ幼かったんだと思い知った健二郎の部屋の中
今なら思う事が出来る想い
それは
なんて輝いているんだろう…そんな想い
三代目.山下健二郎として
三代目という名の肩書を背負って
その場所で輝く健二郎を尊く感じた23歳
"これから三代目ごと応援させて"
そう笑えた私はやっと健二郎を遠く奪った三代目という栄光の場所を心から大切に思う事が出来たんだ
大人のフリをした23歳→←冬の空気の中で __Powder-Snow__
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梨香(プロフ) - にゃりんさん» あと。楽しんでくれて本当にありがとう…この作品は私にとってSpecialなので褒めてもらえるとホッとするよ (2019年8月28日 18時) (
レス) id: 64c500100f (このIDを非表示/違反報告)
梨香(プロフ) - にゃりんさん» いひひ。最後はどーなるのかなぁ（笑）…女の子が夢中で健二郎を好きなコトと情景がいい塩梅に描けてたら嬉しいな…☆ (2019年8月28日 17時) (レス) id: 64c500100f (このIDを非表示/違反報告)
にゃりん(プロフ) - 梨香さん» なんかね、恋愛に純粋だった頃を思い出すね。にゃりんぐらいおばちゃまになってから読むと心が洗われるね(笑) 日記っぽく書いてるから余計かな〜。終わりは日記調じゃない方がよりリアルかも！ なーんて偉そうに言ってみたけど、つまりは楽しく読んでます(爆) (2019年8月28日 17時) (レス) id: 71dba2f90e (このIDを非表示/違反報告)
梨香(プロフ) - にゃりんさん» にゃーちゃんだからこそ聴きたい！この作品どんな？ (2019年8月28日 12時) (レス) id: 64c500100f (このIDを非表示/違反報告)
にゃりん(プロフ) - 梨香さん» なるほどね〜♪等身大のお話だからリアルなんだね！！それを踏まえてもう一度読みなおそーっと(笑) (2019年8月28日 12時) (レス) id: 71dba2f90e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：梨香 | 作成日時：2019年8月27日 11時
