春夏秋冬 / _それぞれの恋_

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やーっとの想いで1日が終わって、

それから
体中のあちらこちらに喜怒哀楽.全部抱えて

「おい！」

私は放課後の廊下を歩いてる登坂センセイを呼び止めた

『は？』

…ホント、予想通りの反応過ぎて笑える

そうやって
なんにもなかったフリをし続けるつもり？

そうやって
私がなんにも知らないって思うフリし続けるつもり？

悪いけど
そうはさせないんだから!

「登坂広臣！」

敢えてフルネームを呼び捨てたのは
やっとの想いで思い出したから…かも知れない

3年前の春の事を_


受験生だった頃の私と

それから
…塾の学生バイトしてた頃の登坂センセイ…


センセイとは
どっかで出逢った事がある、気はしてた
どっかで懐かしい匂いがした、気もしてた

けど
思わないじゃんか

"そんな人が教師として再び現れる" なんて…

しかも、
"あまり接点なかったセンセイが私を追いかけてきてくれた" なんて…

そんな
ドラマとか映画とか

そんなコトがあるなんて、思わないじゃん…

私
そんなにナルシストでも
自分に自信がある訳でもないもん…

接点なかったアルバイトのセンセイが
知らない間に私に想いを寄せてくれてて

追いかけてきてくれた…なんてさ
誰かが教えてくんなきゃ解る訳ないじゃん…

そんなの
…言ってくんなきゃ解る訳ないじゃん…

だから思ったんだよ。

バカ…って

それにコイツがガンちゃんにした事だって本当にバカだ

『好きなら好きって言ったげて』とか
『あいつは必死なんだよ』とか
『岩田センセイのために頑張ってんだよ』とか

本当。、
どれもこれも大きなお世話だバカ‼

それに今、私が見てるのは…


『なに？』

いつもの少しだけ冷たいクールな顔

…何も聴いてなかったら
…ガンちゃんから聴いてなかったら

こんなにドキドキしなかったのかな…

けど

聴いちゃったから…私への想い…

そして
気付いちゃったから…登坂センセイへの想い…

「好きだ！アンタの事が‼」

思い切って声を上げて告げる、生まれて初めての告白のコトバ

ははっ

…え？笑ってる…？
なんで今笑ってる…の？

見上げる先
穏やかな春の陽射しに照らされて

『お前聞いたろ』 そう云う登坂センセイの顔

あぁ、ホント…憎たらしい

けど
…愛しい…ってこういう気持ち…なのかな…

「聴いたよっ！」

全部投げやりでいい！
だって生まれて初めての告白だもん

少々投げやりなくらいで丁度いい‼

春はすべての始まりって言うじゃん

だったら
私と登坂センセイだって…

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