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今日はサッパリした物が食べたいと、Aは大根おろしハンバーグなる物を作ろうと必要な物を買い足して帰路についていた。
スーパーから出ると空は夕暮れに染まり出しており、寮に着く頃には暗くなって居るだろうなと思いながら歩き出した。
ーーこんななんて事ない日常生活を送れる事に小さな幸せを感じながら、本屋の前に差し掛かると欲しかった単行本の発売日である事を思い出す。
スーパーの袋を持ちながら入るのは少しばかり恥ずかしい気もするが、ここは東京。
人がうじゃうじゃといる中で、こんな姿を見られても誰の記憶にも残らないだろうと本屋へと足早に入って行く。
買いたい本は決まっているし〜?
と、目的の本の会計を済ませて店内から出ようとすると見覚えのある背丈の人物と目が合う。
『げ。……七海……』
七海「…………。」
ちょうど出入口に向かおうとしている同期である七海とバッタリ遭遇してしまい、Aは顔を顰める。
七海「……家庭的ですね。」
眼鏡をクイッと押し込みながら買い物袋に視線を向けながら七海はいつも通りの反応をする。
『
七海「言い方。」
『……七海も帰り?』
七海「まぁそんな所です。」
『……一緒に帰る?』
七海「荷物なら持ちませんよ。」
『……チッ』
全く可愛げの無い男だと舌打ちをすると、その鋭い眼光をこちらに向けながらギロリと睨まれて肩を縮ませる。
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作者名:シレン | 作者ホームページ:http://lyze.jp/hellomalco/
作成日時:2021年2月15日 16時