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「い"ッ〜!!!」
コメカミにクリティカルヒットしたために男は苦痛に顔を歪めてよろけた。
その隙に逃げ出そうと壁際から離れて非常階段の入口のドアノブに手をかけるも残りの男2人が私の背後に即座に移動しており、私の後ろ髪を引っ張った。
『痛い!!離して!!』
「離すわけねぇだろ?やってくれたねー。」
バキッ!!
『……ッ!!』
今度は逆に私が頬にクリティカルヒットを食らう。
ーー結構思いっ切り殴られた事に驚いた……。
嘘でしょ?
女1人を大の男が束でかかってリンチするとか、最低な行為をするなんて信じられない。
……こんな糞みたいな非呪術師の事を私達は日々傷付きながら守ってるの?
…………呪術師って
…………バカみたい……
ーーズキンズキンと脈を打つ殴られた頬に手を当てながら、私は覆い被さってくる男の顔を黙って見ていた。
………なんでこうなっちゃうのかな。
私はただ、休日のショッピングを楽しんでいただけなのに……。
ーー私の上に跨っているシルエットを見ると、こないだ五条さんに同じ様にされた事を思い出す。
同じ事をされるのに相手によってこんなにも違うんだな、なんて思いながら男が振り上げた拳を黙って見ていた。
「ふげ!」
「えっ!強っ……ぐえ!!」
『え?』
「なんだ?!手ぇ離せ!!!」
振り上げている腕を後ろから掴まれているようで、私に跨っている男は後ろを振り返り何やら慌てている様子。
その後ろに居たはずの男達は倒れており、私は何が何だか分かっていない。
「ちょっと悪戯がすぎたんじゃないの〜?」
『!!!』
男の腕がメキメキと音を立てて折れる音が聞こえる。
そう。
その腕を掴んでいるのは、……五条悟だった。
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作者名:シレン | 作者ホームページ:http://lyze.jp/hellomalco/
作成日時:2021年2月15日 16時