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次の日の部活はオフだった。
いつもみたく帰り支度をしていると、当たり前のように彼女は俺の元へ来てくれた。
「赤葦、今日は帰れる？」
「うん、帰ろう」
彼女にもらったマフラーを巻くと、昨日彼女に貸したからか、ほんのり彼女の匂いがした。
それが、ただただいとおしかった。
「今日はマフラー、忘れなかったんだね」
「うん、ばっちり」
そういう彼女の首元には黒のチェックのマフラー。
なんだか俺のと少し似ていて、お揃いチックだなあ、だなんてらしくないことを思ってしまった。
「あー……さむ、」
外に出て無意識に出てくる言葉に
彼女におかしそうに笑いながらカイロを差し出してくれた。
「赤葦って冷え性だよね。いつも外に出て一番に寒いっていう、」
「そうだっけ、」
そういえばそうかもしれない。
冷え性な俺に彼女は、“マフラーと手袋迷ったんだあ”だなんて。
「そういえばAはあんまり寒いって言わないよね」
「あんまり寒くないの、わたし。暑がりだからかなあ」
そんなこといいながら楽しそうにはしゃぐ彼女の口元からは白い吐息。
暑がり、だなんていうくせに耳は真っ赤で。
「……うそつき、」
俺の冷たい手で握った温かいカイロを
彼女の右耳にあてた。
「うわっ、びっくりした、」
あったかーい、なんていいながらカイロを握る彼女の指先が少し触れる。
ほんのりあたたかくて、彼女の体温は少し高めなんだと気づいた。
「わ、赤葦、指先つめたいね」
目をぱちぱちさせながらいう、彼女の横顔に
手袋を 買おう、
そう思った。
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作者名：はあろ | 作成日時：2017年12月22日 23時
