検索窓
今日:4 hit、昨日:3 hit、合計:122,137 hit

最終日 ページ28

.




【P-P side】



最悪のゲームから1年が経ち、僕たちは3年になった。



あの後、僕たちはメールの履歴を全て消し存在を消し去った。
警察の監視からも解放され一時はメディアの噂にもなったが、今になれば遠い過去の話だ。

...しかし、僕らの心には焼き付いて離れない。
忘れてはいけない、忘れたくない二人の笑顔。
目を閉じれば鮮明に思い出す。

ふと、翡翠色の彼と茶髪の彼がこちらを振り返った。





「ぴーちゃん、大丈夫?」

「大丈夫、だよ」

「あんまり無理すんなよ?」

「....うん」





いつもは綺麗で澄んでいる瞳は、暗く淀んでいる。
ゆっくりだが着実に歩を進め、僕ら三人は二つの並んだ墓の前に立つ。





「....今日は二人の命日か」





つわはすさんがぽつりと呟いた。
それをきっかけに、僕たちも今は亡き二人に話しかける。





「....キヨさん泣き虫だったよね。五人で映画見に行ったときさ、一人だけ号泣してて....ホント今となっては懐かしい」

「Aもおんねから、きっと....大丈夫、やよ」

「二人が死ぬ間際に付き合ったって聞いたとき....運命って残酷だと思ったよ」

「でも....笑顔だったよね、キヨくんとA」

「....天国で、幸せになれているといいな」






『余計なお世話だよ、ばーか....ありがとな』

『....ありがとう、みんな』





「....今さなんか言った?」

「ううん、でもなんか聞こえたな」

「........Aとキヨくんだったりしてね」





レトさんが冗談ぽく微笑む。



振り返るとそこには、懐かしい香りがした。





『勝つのは愛か、人狼か。』ーーーーfin.






 

あとがき【ミネラリン】→←7日目ー夜ー



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (357 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
559人がお気に入り
設定タグ:実況者 , 平和組 , 人狼ゲーム   
作品ジャンル:その他
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

loss - 途中でヒロインの苗字が黒瀬から黒崎になっていた事が気になりました。それ以外は考えられていてとても面白かったです。 (2016年11月28日 22時) (レス) id: 7b543e43b5 (このIDを非表示/違反報告)
毒舌#珈琲 - 最後凄い感動して泣きかけてしまいました…!文才ありすぎて羨ましいです!いい小説をありがとうございます! (2016年4月6日 16時) (レス) id: cd366d9e79 (このIDを非表示/違反報告)
桂碼(プロフ) - すごく感動しました。楽しませていただきありがとうございます(*´∇`*) (2016年4月4日 16時) (レス) id: ccc617bd03 (このIDを非表示/違反報告)
あらん - すごく感動しました...T^T (2016年4月1日 3時) (レス) id: 0334f1c679 (このIDを非表示/違反報告)
みなっち - 最後泣けました…。この作品良かったです。 (2016年2月22日 1時) (レス) id: 67986d2bd6 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:零紅、ミネラリン | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kaho01171/  
作成日時:2015年3月30日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。