*第92話 ページ15
敵「そんな急かすなよ〜
楽しみは後に取っておくっての知らねぇのか?
…まぁ、反撃のチャンスは幾らでも出来るからな」
最後に呟いた言葉はAには届く事はなかったが、『術式を使っている』と察した。
A (…んー、何の術式か分からない中、下手な立ち回りは時間をかけてしまうからなぁ。
あえて俺が罠にかかってみるのはありだな)
相手に悟らせないよう敵に向かって走り出した。
敵の範囲内に入った瞬間ヒュンッと風切る音が聞こえるとAは糸のようなものに拘束されるのだった。
ぐっ…と体を動かすと少しキツくなるのを感じ取った。
A (…なるほどね。呪力を糸のようにして自分の範囲内に張り巡らせていたのか。
この糸は目視できないほど細く、硬い。
しかも動かそうとすれば自動的に絞まるときた)
体を動かすことをせずじっと敵を見つめると、Aの考えが伝わったのか敵は上機嫌になる。
敵「察しがいいな、お前。
他のやつだったら大体慌てて解こうとするのによ。
その糸は俺の呪力で練った最高硬度の糸なんだぜ?
体を動かそうとすると自動的にキツくなって、制服でも切れるんだぞ〜」
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作者名:虚無 | 作成日時:2024年1月28日 2時