私の平穏な日々、終了のお知らせ【不死川実弥】

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1年が過ぎた。
あの、“お前は俺の女だァ事件”をきっかけに交際が始まった私達。


会社内ではもちろん星川、不死川部長だが
プライベートではA、実弥さん呼びである。



あの実弥さんだ、釣った魚に餌はやらないみたいに
さぞ放置プレイをかまされるのだろうなと思っていたが、意外にも彼は



｢可愛いなァお前。｣


｢こっち来いよ｣



と、なかなかに私を甘く惑わせる。


そんなギャップにまんまとハマってしまった私は今ではもう実弥さんへの愛が半端ない。
借金を押しつけたクソみたいな元彼のことなどすっかり忘れてしまったのであった。





＊




｢なァ、今日…｣

『ごめんなさい予定があって……！』


かれこれ、ここ1週間実弥さんの誘いを断り続けている。
理由は単純、彼の誕生日の準備に忙しいからである。


当日は2人揃って有給を取得済みだ。
前日の仕事が終わり次第私の家に来て夕飯をご馳走してまったり過ごして夜は……♡



のような予定でいたのだが、
さすがに断りすぎたか、機嫌がよろしくないようで。






＊






もう少しもう少し……と、なんとか28日になったはいいが朝っぱらから目も合わせてくれないし挨拶も素っ気ない。
冷や汗をかきながらも隣で仕事を進めるが5分に1回は舌打ちをしている。




『部長……コーヒーは、』

｢いらねェ｣





｢部長、こちらの書類に｣

『そこ置いとけェ』




いつもなら少し照れながらも目を合わせてサンキューな、なんて言ってくれるのに。





どうしようかな、なんて困り果てた私は外の空気を吸おうと部長室を後にしようとした。







｢待てやァ｣

ドアノブを掴む私の手を覆い、
後ろからぴったりと密着してくる実弥さん。






『え、あの、実……部長、！？』


｢そろそろ構え。お前不足で死にそう。｣


するり、とネクタイを解く音が後ろから聞こえた。


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