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「てか。上手く行ったの?そっちは」
『俺?ああー、うん。おかげさまで。無事いのちゃんのおかげで後腐れもなくサヨナラ出来まして、呆気ないほど簡単に俺のものになりました。今日も家来てんじゃねえかな』
「あら、こんなとこ来てていいの」
『まー大丈夫っしょ。それよりいのちゃんこそ。こんなとこ来てていいの』
「お前がそれ言う?呼んだのそっち」
『確かに』とクツクツ笑った光は、『そうだ、今日はこれを渡そうと思って』とバックの中から見覚えのある黒い小さな機械を出してくる。
「…回収すんの忘れてた、ありがとう。よく分かったね?」
『局に居なかったいのちゃんが、大ちゃんの居場所を知念に教えてあげてって連絡してきた時から変だとは思ってたんだよ』
「光すげー。賢い」
『賢かねえよ。それにこないだ俺を追い返した時に、ここに行ってって、さあ?行ったら大ちゃんと知念居るし』
「俺が山田と結ばれた日ねー」
『そ。ピンポイントで場所が分かるなんてどうせこんなとこだろうと思って、その時に大ちゃんのジャンパーの内ポケット探ったの』
「こんなに小さくても精度は抜群なんだから怖いよね。建物の中の細かいところまで分かっちゃうんだから」
光から受け取ったものは、俺が大ちゃんのジャンパーのポケットにこっそり忍ばせた小型のGPSだ。
『違う上着でも羽織ってきたらどうするつもりだったんだよ』
「それはその時だよ。でも人間って、シャツやズボンは日ごとに変えるけど、そう簡単に上着やコート類は変わらないでしょ。季節ごとで固定とかもあるだろうし。…何かに使えたらなと思って」
『おっかねえ〜絶対敵に回したくね〜友達になりたくね〜恋人にしたくね〜』
怖がる演技をする光に「おい、それは言い過ぎだろ!」と突っ込みながらも、いやこれ山田にバレたら引かれるし嫌われるかも…と思い直す。
「…光、分かってるとは思うけど、これまでのことは」
『二人の秘密でしょ、分かってるよ。…お互い墓場まで持っていこうな』
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『じゃあ、乾杯でもしとく?』
そう言って彼はジョッキを手に取る。
「そうね。お互い、長年の片想いに無事終止符が打てたということで」
俺も、同じ高さまでジョッキを掲げた。
「『おめでとう、乾杯〜〜〜!』」
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『今日でこうやって会うの最後ね』
「うん。薮とお幸せに」
『いのちゃんも。山田と仲良くね』
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めい(プロフ) - 梓実さん» 梓実さん初めまして。コメント有難うございます!ええ、泣いちゃったところ!どこでしょう! 何考えているのか読めないミステリアスな雰囲気を出せたらなと思っていたので、その感想はとっても嬉しいです! お読み頂き有難うございました! (2020年10月20日 12時) (レス) id: 8807fc94fe (このIDを非表示/違反報告)
めい(プロフ) - Kさん» Kさん、こちらこそコメント有難うございました!同担です〜よろしくお願いします!笑 お話の感想も有難うございます! (2020年10月20日 12時) (レス) id: 8807fc94fe (このIDを非表示/違反報告)
めい(プロフ) - みつこさん» みつこさん初めまして。コメント有難うございます!とってもうれしい感想です〜泣 こちらこそ最後までお読みいただき有難うございました! (2020年10月20日 12時) (レス) id: 8807fc94fe (このIDを非表示/違反報告)
梓実(プロフ) - とっても面白い作品でした!!思わず泣いてしまうところがあって…あんなに泣いたのは久しぶりです笑一瞬伊野ちゃんが怖かったのですが、なんだか安心しました笑笑 今からもう一度読み直してこようと思います!素敵な作品を、ありがとうございました!! (2020年10月19日 21時) (レス) id: 56b32f15d6 (このIDを非表示/違反報告)
K - お返事頂けるなんて嬉しいです!正直同担なのが嬉しくて勢いで送ってしまっていたので笑お話とても面白かったです!ありがとうございました!! (2020年10月17日 19時) (レス) id: 30c662d0e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めい | 作成日時:2020年10月4日 19時