041 ym ページ41
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「いひゃいひょ、いひょーひゃん」
『…だって山田は大ちゃんのこと気にかけすぎなんだもん。気をつけてよね！』
『もう俺がいるんだから』と君は頬を軽く膨らませながら、パッと手を離して後ろを向く。
そんな風に拗ねる姿も、この頬のちょっとした痛みも、ほんの少し前では考えられなくて口元がにやけた。
「はいはい」と個室から出ようとすると、君はこの反応が気に入らなかったのか、後ろでキャンキャン吠えていてホント可愛い。
…やっぱりいじわるしたくなっちゃうな。
『あー！その反応全然分かってないでしょ！俺が今までどれだけ二人を見て胸を痛めてきたか山田は知らないからそ、んっ、…ぁ、』
「っ、……ふふ、耳まで真っ赤」
『っばーか！急に大胆なんだよ！ここお店だっつーの！』
「それ先にチューしてきた伊野尾ちゃんが言う？」
『…アホ！ハレンチ！』
君は唇を手で抑えて、耳も顔も真っ赤にして俯く。
…ああ、そうか。あんなに余裕そうにしていたのも、ずっと先制攻撃だったのも。
こと恋愛沙汰に置いて攻められると弱いから？
この場面で初めて伊野尾ちゃんの弱点に気付けた気がして、なんだかさらに愛おしく見える。
「フフッ、ほら帰るよ、伊野尾ちゃん。明日は仕事？」
『んぅ、えーとね、…待って、スケジュール…』
伊野尾ちゃんは片手で携帯を触り、もう一方の手で俺のコートの袖を掴んだ。
…どうせ君は無自覚なんだろうけど。
こんなことされたら、…帰したくなくなるなぁ。
『やまださーん』
「うぉ」
『なに。びっくりしちゃって。俺明日は昼から。山田も今見たら昼だった』
「そっか。…じゃあ俺ん家泊まってく？」
伊野尾ちゃんは目をパチクリさせてから、照れたように笑った。
『ふふ、山田、接続詞が合ってないよ。"じゃあ"に繋がらない』
「じゃあ、自分の家に帰る？」
『…ずるいよ、お前』
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『じゃあ、山田の家に帰る』
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店先には誰も居なくて「ご馳走様でしたー」とだけ声をかけると、出る直前に店員さんが一瞬奥に見えた。ような。銀髪の人だった。ような。
確認はできなかった。何故なら、伊野尾ちゃんが腕を絡め、俺を引っ張るように歩き出したからだ。
…ま、いっか。
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『山田の家へレッツゴー！』
「ちょっと伊野尾ちゃん、声が大きい」
『…だって嬉しくって。あー！俺超幸せー！』
「だから声が大きいってばっ」
『んふふ』
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めい(プロフ) - 梓実さん» 梓実さん初めまして。コメント有難うございます！ええ、泣いちゃったところ！どこでしょう！ 何考えているのか読めないミステリアスな雰囲気を出せたらなと思っていたので、その感想はとっても嬉しいです！ お読み頂き有難うございました！ (2020年10月20日 12時) (
レス) id: 8807fc94fe (このIDを非表示/違反報告)
めい(プロフ) - Kさん» Kさん、こちらこそコメント有難うございました！同担です〜よろしくお願いします！笑 お話の感想も有難うございます！ (2020年10月20日 12時) (レス) id: 8807fc94fe (このIDを非表示/違反報告)
めい(プロフ) - みつこさん» みつこさん初めまして。コメント有難うございます！とってもうれしい感想です〜泣 こちらこそ最後までお読みいただき有難うございました！ (2020年10月20日 12時) (レス) id: 8807fc94fe (このIDを非表示/違反報告)
梓実(プロフ) - とっても面白い作品でした！！思わず泣いてしまうところがあって…あんなに泣いたのは久しぶりです笑一瞬伊野ちゃんが怖かったのですが、なんだか安心しました笑笑 今からもう一度読み直してこようと思います！素敵な作品を、ありがとうございました！！ (2020年10月19日 21時) (レス) id: 56b32f15d6 (このIDを非表示/違反報告)
K - お返事頂けるなんて嬉しいです！正直同担なのが嬉しくて勢いで送ってしまっていたので笑お話とても面白かったです！ありがとうございました！！ (2020年10月17日 19時) (レス) id: 30c662d0e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めい | 作成日時：2020年10月4日 19時
