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そんなの、そんなの。
「…当たり前でしょ」
『やま、だ』
「楽しい時は一緒に笑って、嬉しい時は一緒に喜んで、辛い時はさりげなく飯に連れて行ってくれて、いつだって俺の話を聞いてくれて、…そんな人は大ちゃんしかいない」
『…っ、』
「…応えられなくて、ごめん。でも、嬉しかった、俺、本当に嬉しかったんだ」
『ふふっ、…そっか』
「うん。嬉しかった。最初は…びっくりが勝っちゃったけれど」
『…俺たち、友達でいられる？』
「うん、…友達だよ」
『…じゃあ、』
「ん？」
『……今までありがとう。これからもよろしく、の握手ってことで。どう？』
そう言って、大ちゃんは右手を目の前に差し出す。
頬には涙の筋がキラリと光っている。
俺はその手をじっと見つめて、「うん」と右手を重ねた。
ギュッと握手を交わす。
彼がぶんぶんと手を揺らした。何度も。何度も。
気持ちを振り払うかのように。これで最後だからと言わんばかりに。
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『はぁー、つくづくお前って本当に良い男だな。好きになって良かったー、俺の目に狂いはないね』
「な、なんだよ」
『…俺は後悔したんだ。走り去る山田を見て今までのが全部崩れちゃうと思った。何のために隠してきたんだろうって、』
『…ってあっ、お前を好きになったことを後悔したことは無いからな！』と念を押される。
こんなに好き好き言われると、こっぱずかしくなってきた。
分かった分かったから、とちょっと雑な返事をしてしまう。
『だから、…こうやって話せるなんて思ってなかった』
「だって、ちゃんと話さなきゃと思って」
『…そういうとこだよ。まー、そうだな。いのちゃんに振られたら俺んトコおいでよ。たっぷり愛してあげるから』
「うわ、キモ」
『おいコラ！マジトーンで言うな、傷つくだろうが！失恋中だぞ！一応！』
「キモ〜〜〜〜〜」
目が合って、プッ、と吹き出したのは同時。
笑い声が重なっていつもの俺たちの空気に、戻る。
『あーあのさ。色々言っちゃったけど、結局山田が見て感じたものが正しいと思うから。…俺と高木が言ったことは、まあ一つの意見として少しだけ頭に入れておいてよ』
「…うん、分かった」
『分かったならよろしい』
「フハッ、先生かよ」
『ふふふ』
『じゃ、帰ろっか』と部屋を出ていく大ちゃんは、涙で頬を濡らしながらもすっきりとした表情をしている、そんな気がした。
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めい(プロフ) - 梓実さん» 梓実さん初めまして。コメント有難うございます！ええ、泣いちゃったところ！どこでしょう！ 何考えているのか読めないミステリアスな雰囲気を出せたらなと思っていたので、その感想はとっても嬉しいです！ お読み頂き有難うございました！ (2020年10月20日 12時) (
レス) id: 8807fc94fe (このIDを非表示/違反報告)
めい(プロフ) - Kさん» Kさん、こちらこそコメント有難うございました！同担です〜よろしくお願いします！笑 お話の感想も有難うございます！ (2020年10月20日 12時) (レス) id: 8807fc94fe (このIDを非表示/違反報告)
めい(プロフ) - みつこさん» みつこさん初めまして。コメント有難うございます！とってもうれしい感想です〜泣 こちらこそ最後までお読みいただき有難うございました！ (2020年10月20日 12時) (レス) id: 8807fc94fe (このIDを非表示/違反報告)
梓実(プロフ) - とっても面白い作品でした！！思わず泣いてしまうところがあって…あんなに泣いたのは久しぶりです笑一瞬伊野ちゃんが怖かったのですが、なんだか安心しました笑笑 今からもう一度読み直してこようと思います！素敵な作品を、ありがとうございました！！ (2020年10月19日 21時) (レス) id: 56b32f15d6 (このIDを非表示/違反報告)
K - お返事頂けるなんて嬉しいです！正直同担なのが嬉しくて勢いで送ってしまっていたので笑お話とても面白かったです！ありがとうございました！！ (2020年10月17日 19時) (レス) id: 30c662d0e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めい | 作成日時：2020年10月4日 19時
