024 ym ページ24
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雄也も大ちゃんも、『やめておけ』って。
なんでだよ。どうして。
『いのちゃんが何を考えてるのか分かんないから、』
「…ずっとその言葉の繰り返しじゃん」
『だってそうなんだって。俺も高木も、そしてお前も。なんだったらメンバー全員、いのちゃんのこと知ってるようで知らなかったんだよ』
「大ちゃんも？」
『うん。俺も』
俺も大ちゃんも喋るのをやめれば、会議室にはたちまち静寂が訪れる。
_____彼が何を考えているのか、心の内が読めない。そんなこと今に始まったことじゃない。
でも、俺よりもずっと彼と長い時間を過ごした二人が、同じ言葉をこんな短期間に言ってくる意味は？
「もう、わかんない…」
『ごめん』
「応援してくれてるんじゃないの」
『してる。…してるに決まってんだろ』
「じゃあ、っなんで」
ブラインドの隙間から入る太陽の光が、大ちゃんの顔を照らす。_____なんで、大ちゃんがそんな苦しそうな顔をするの。
『…最近、おかしいんだ。何かがお前の背中を押してくれていて、真っ直ぐだったはずの線が傾き始めてる』
「何かって、」
『分かんない。俺さ、前にきっかけの話しただろ。どこかに落ちてないかなって』
「…したね」
『そのきっかけが掬い上げられたんだ。俺もお前も気づかないうちにね？このまま行けば、きっと交わる。でも、…俺は、そうなって欲しくないっ』
彼の声は、震えていた。
「大ちゃん？」
『…お前はさ、一度だって一歩を踏み出すことはなくて。だから、ずっと平行線だった。それで良かったんだ』
「…え？」
『伝えることなく想いを募らせて、俺がそれを一番に聞く。…それで、良かったのに』
「大ちゃ…ん？」
『いのちゃんは、やめておいた方がいい』
「、っ」
『俺も高木の意見に賛成する』
「…な、んなんだよ二人して！なんで急に」
『俺も高木も、お前のこと心配して言ってんの』
「…っ、」
『いのちゃんは、やめておいた方がいい。なにを考えているのか分からないから、』
「…なんで、大ちゃんにそんなこと言われなきゃなんねえの！？雄也ならまだしも、っ、大ちゃんはずっと側で、応援してくれてっ、」
『…好きだからだよ！』
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『好きなんだよ、山田のことが！』
『だから、いのちゃんのところに行ってほしくねえんだよ！』
頭が真っ白になった。
気がつけば俺は、部屋を飛び出していた。
大ちゃんの顔は、見れなかった。
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めい(プロフ) - 梓実さん» 梓実さん初めまして。コメント有難うございます！ええ、泣いちゃったところ！どこでしょう！ 何考えているのか読めないミステリアスな雰囲気を出せたらなと思っていたので、その感想はとっても嬉しいです！ お読み頂き有難うございました！ (2020年10月20日 12時) (
レス) id: 8807fc94fe (このIDを非表示/違反報告)
めい(プロフ) - Kさん» Kさん、こちらこそコメント有難うございました！同担です〜よろしくお願いします！笑 お話の感想も有難うございます！ (2020年10月20日 12時) (レス) id: 8807fc94fe (このIDを非表示/違反報告)
めい(プロフ) - みつこさん» みつこさん初めまして。コメント有難うございます！とってもうれしい感想です〜泣 こちらこそ最後までお読みいただき有難うございました！ (2020年10月20日 12時) (レス) id: 8807fc94fe (このIDを非表示/違反報告)
梓実(プロフ) - とっても面白い作品でした！！思わず泣いてしまうところがあって…あんなに泣いたのは久しぶりです笑一瞬伊野ちゃんが怖かったのですが、なんだか安心しました笑笑 今からもう一度読み直してこようと思います！素敵な作品を、ありがとうございました！！ (2020年10月19日 21時) (レス) id: 56b32f15d6 (このIDを非表示/違反報告)
K - お返事頂けるなんて嬉しいです！正直同担なのが嬉しくて勢いで送ってしまっていたので笑お話とても面白かったです！ありがとうございました！！ (2020年10月17日 19時) (レス) id: 30c662d0e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めい | 作成日時：2020年10月4日 19時
