023 ym ページ23
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どうにか数時間だけ眠ったけれど、アイドルとしては失格の顔面だろうなと自覚しながら現場入りした。
今日のスタジオ収録は、裕翔と伊野尾ちゃん、いわゆるドラマ撮影組を除いたメンバーで、7とBESTで別れがちな楽屋も一つの部屋にまとめられていた。
まだ誰も来てもいませんように、そう願いながら寝不足で重たい瞼を擦りながら楽屋に入る。
でもそこには、昨日も着ていた黒いジャンバーに身を包み、丁度いま着いたのか荷物を整理している大ちゃんが居て。
『…山田、ちょっといい？』と、楽屋からすこし歩き、使われていない会議室に有無を言わさず連れ出される。
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「なに」
『…や、お前昨日、店出てから元気無かったから。大丈夫かなと思って』
「…全然大丈夫だけど」
『嘘。大丈夫じゃ、ないくせに』
『その顔』と指差され、これだから会いたくなかったと思う。大ちゃんに隠し事は効かない。
『高木と何の話してた』
「…伊野尾ちゃんは、やめておいた方がいいって言われた」
『…そっか』
「帰り道、タクシー拾うまでの道で。雄也が凄い深刻な顔してさ、『伊野尾ちゃんって何を考えてるのか分からなくて怖い。気をつけた方がいい』って」
そう昨日の会話を思い出しながら話した俺に、大ちゃんは『やっぱ高木…』と小さく呟く。
「やっぱ高木、って…。俺の知らない間に何があったの？昨日大ちゃんも伊野尾ちゃんのこと分かんないって言ってたよね」
『まあ。なんていうかさ…』
「何？勿体ぶらずにさっさと言えって」
『…俺はずっとお前のこと応援してるし、上手くいけばいいと思ってるし…上手くいくんじゃねえかなと思っても、いた』
「分かりやすく説明して」
『昨日。いのちゃんと高木が来る前、俺が言いかけたことあったろ』
「…ああ、あったね」
『あん時のいのちゃん、…』
そこまで言って、大ちゃんは言うか迷っているみたいで。「伊野尾ちゃんが、なに？」と先を促せば、ふぅ、と息を吐いた。
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『…山田に惚れてる顔してたよ』
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「………は？」
『だから山田のこと好きだって顔して見てたの。あの、いのちゃんが』
「…冗談はやめてよ大ちゃん。流石にそれは俺でも怒る」
『嘘じゃねえって。俺には分かる。あの時のことは、確かにそうだって分かるんだよ。…でも』
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『俺も、いのちゃんはやめておいた方がいいと思う』
_____なんなんだよ、それ。
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めい(プロフ) - 梓実さん» 梓実さん初めまして。コメント有難うございます！ええ、泣いちゃったところ！どこでしょう！ 何考えているのか読めないミステリアスな雰囲気を出せたらなと思っていたので、その感想はとっても嬉しいです！ お読み頂き有難うございました！ (2020年10月20日 12時) (
レス) id: 8807fc94fe (このIDを非表示/違反報告)
めい(プロフ) - Kさん» Kさん、こちらこそコメント有難うございました！同担です〜よろしくお願いします！笑 お話の感想も有難うございます！ (2020年10月20日 12時) (レス) id: 8807fc94fe (このIDを非表示/違反報告)
めい(プロフ) - みつこさん» みつこさん初めまして。コメント有難うございます！とってもうれしい感想です〜泣 こちらこそ最後までお読みいただき有難うございました！ (2020年10月20日 12時) (レス) id: 8807fc94fe (このIDを非表示/違反報告)
梓実(プロフ) - とっても面白い作品でした！！思わず泣いてしまうところがあって…あんなに泣いたのは久しぶりです笑一瞬伊野ちゃんが怖かったのですが、なんだか安心しました笑笑 今からもう一度読み直してこようと思います！素敵な作品を、ありがとうございました！！ (2020年10月19日 21時) (レス) id: 56b32f15d6 (このIDを非表示/違反報告)
K - お返事頂けるなんて嬉しいです！正直同担なのが嬉しくて勢いで送ってしまっていたので笑お話とても面白かったです！ありがとうございました！！ (2020年10月17日 19時) (レス) id: 30c662d0e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めい | 作成日時：2020年10月4日 19時
