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俺と大ちゃん、そして伊野尾ちゃんと雄也という不思議な面子でのご飯も、男気ジャンケンで大ちゃんが一人勝ち、全員分を奢るという形で幕を閉じた。
表の大通りでタクシーを拾うために、店からすこし歩く。
大ちゃんと伊野尾ちゃんが前を歩く。俺の隣を歩く雄也は、…俺がお手洗いから戻ってきた辺りからどこか心此処にあらずといった感じだ。
「雄也？大丈夫？」
『……あぁ。山田』
「ん？」
『…あのさ、』
「なにぃ、なんだよ〜！」
俺はお酒が入ったテンションで、ぐいぐいと身体を寄せる。でも見上げた雄也の顔は思っていたより深刻で、息が詰まる。
「…どう、した？」
目の前の彼は、何だか一生懸命言葉を選んでいる様子だった。
「…雄也？」
『……、伊野尾くんはやめておいた方がいいと思う』
時が止まる。「え、突然なに、」と出した声は掠れてしまう。
雄也も言い出したのは自分のくせに、『いや、…ごめん、俺、何言ってんだろうな』と曖昧に笑った。
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伊野尾ちゃんへの気持ちは大ちゃんにしか話していないし、彼はそんな簡単に他人に話すような人では無いと知っている。
俺がいない時に大ちゃんが雄也に教えるなんて思えないし、伊野尾ちゃん本人がいる前で勝手に俺の話をするとも思えない。
それに、あの撮影があったとはいえ雄也にこの気持ちがすぐにバレてしまうほど分かりやすい行動をした記憶は、…ない。
じゃあなんでこんな、いきなり俺と伊野尾ちゃんの話をするなんて、____『やめておいた方がいい』その言葉の意味は。
『…、山田！』
「えっ？あっ、…」
『ごめん。俺も、変なこと言ってるって分かってる。なんだけどさ、』
雄也はそこで一呼吸置いて、俺の肩に手を置いて、前の様子を伺う。
二人は表通りでタクシーを呼んでいて、いつのまにか距離が出来ていた。
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『なんか、伊野尾くんが』
『何を考えてるか分からなくって、怖いんだ』
『気をつけた方がいいと思うよ、山田』
そこまで言っておいて、雄也は『いや、やっぱり俺何言ってるんだろうな、ごめん』と謝った。
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そこから。伊野尾ちゃんがタクシーが来たよ、と呼びに来てくれて一人で乗り込んだのはなんとなく覚えているけど、あんまり記憶が無かった。
頭の中では雄也の言葉だけがグルグルと回って。
どうして彼はあんなことを言ったんだろう。
家に着いても中々眠りにつけず、朝を迎えた。
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めい(プロフ) - 梓実さん» 梓実さん初めまして。コメント有難うございます！ええ、泣いちゃったところ！どこでしょう！ 何考えているのか読めないミステリアスな雰囲気を出せたらなと思っていたので、その感想はとっても嬉しいです！ お読み頂き有難うございました！ (2020年10月20日 12時) (
レス) id: 8807fc94fe (このIDを非表示/違反報告)
めい(プロフ) - Kさん» Kさん、こちらこそコメント有難うございました！同担です〜よろしくお願いします！笑 お話の感想も有難うございます！ (2020年10月20日 12時) (レス) id: 8807fc94fe (このIDを非表示/違反報告)
めい(プロフ) - みつこさん» みつこさん初めまして。コメント有難うございます！とってもうれしい感想です〜泣 こちらこそ最後までお読みいただき有難うございました！ (2020年10月20日 12時) (レス) id: 8807fc94fe (このIDを非表示/違反報告)
梓実(プロフ) - とっても面白い作品でした！！思わず泣いてしまうところがあって…あんなに泣いたのは久しぶりです笑一瞬伊野ちゃんが怖かったのですが、なんだか安心しました笑笑 今からもう一度読み直してこようと思います！素敵な作品を、ありがとうございました！！ (2020年10月19日 21時) (レス) id: 56b32f15d6 (このIDを非表示/違反報告)
K - お返事頂けるなんて嬉しいです！正直同担なのが嬉しくて勢いで送ってしまっていたので笑お話とても面白かったです！ありがとうございました！！ (2020年10月17日 19時) (レス) id: 30c662d0e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めい | 作成日時：2020年10月4日 19時
