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『では最後山田さんと伊野尾さん、お願いしますー！』とスタッフさんに声をかけられて、モニター前の椅子から立ち上がった。
他の撮影は終わっているのに、メンバー全員がその場に残っている。
「楽屋に戻ってていいよ」と言えば、『なんで？いのちゃんと山ちゃんなんて美の暴力じゃん。絶対見てく』と言った裕翔に、雄也や薮ちゃんが揃って頷く。
ヒカには『緊張すんなよ！』と言われ「なんで緊張すんのよ」と強気に返したものの、若干手が震えていた。
なんでだろ。これまでだっていくらでも、伊野尾ちゃんとの撮影だってあったはずなのにね。
軽く頬を叩いて、気持ちを入れ直した。
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俺たちのテーマは「花」だった。監督さんから撮影のイメージを聞く。
花の中、二人の世界…っておいおい、どんな設定だよ、と心の中で盛大にツッコミを入れる。
『んーなんかくっついたりすればいいの？』
『や、あんまりこうベタベタって感じではなくて、…なんていうんでしょ、禁断の…！みたいな』
『えー、禁断のってなにそれ。ねぇ？』
「…えっ、あっ、ねえ。超難しいじゃないすか、なにこの設定」
『ペアが山田さんと伊野尾さんだと皆さんから伺ったので、是非お二人の良さが引き立つようにと思いまして、』
『準備させてもらいました』と話す監督さんの説明になんだか違和感を覚えながらも、花がいっぱいのセットに入る。
床一面に敷き詰められていたり、壁に立てかけてあったりして、花特有の匂いが蔓延している。
『わ〜〜…綺麗だねぇ』と伊野尾ちゃんはしゃがみ込んで恍惚とした表情で花を見つめる。
そんな君の方が綺麗だよなんて、絶対本人には言えない。
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まずは、背中合わせで座ったポーズから。くっつかずに微妙に空いた距離が、俺と伊野尾ちゃんの関係を思わせる。
でも一度カメラのフラッシュを浴びてしまえば自然とスイッチが入った。
アイドルとしての、オン。シャッター音に合わせて、顔の角度や表情を変える。
俺よりも少し高い位置にある伊野尾ちゃんの肩に、頭を乗せてみようと近づいて、背中を預けると彼はビクッと驚く。
それでも。次第に彼もその背中を預けてきて、ぴったりくっついた"背中合わせ"。
あー、このドキドキがどうか伝わりませんように、なんて。ちょっと思考が恋する乙女すぎる。また重たいとか言われちゃうな。
切り替え。切り替え。
これは仕事で、撮影。
…でもやっぱりうれしくて、心臓が飛び出そうだ。
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めい(プロフ) - 梓実さん» 梓実さん初めまして。コメント有難うございます！ええ、泣いちゃったところ！どこでしょう！ 何考えているのか読めないミステリアスな雰囲気を出せたらなと思っていたので、その感想はとっても嬉しいです！ お読み頂き有難うございました！ (2020年10月20日 12時) (
レス) id: 8807fc94fe (このIDを非表示/違反報告)
めい(プロフ) - Kさん» Kさん、こちらこそコメント有難うございました！同担です〜よろしくお願いします！笑 お話の感想も有難うございます！ (2020年10月20日 12時) (レス) id: 8807fc94fe (このIDを非表示/違反報告)
めい(プロフ) - みつこさん» みつこさん初めまして。コメント有難うございます！とってもうれしい感想です〜泣 こちらこそ最後までお読みいただき有難うございました！ (2020年10月20日 12時) (レス) id: 8807fc94fe (このIDを非表示/違反報告)
梓実(プロフ) - とっても面白い作品でした！！思わず泣いてしまうところがあって…あんなに泣いたのは久しぶりです笑一瞬伊野ちゃんが怖かったのですが、なんだか安心しました笑笑 今からもう一度読み直してこようと思います！素敵な作品を、ありがとうございました！！ (2020年10月19日 21時) (レス) id: 56b32f15d6 (このIDを非表示/違反報告)
K - お返事頂けるなんて嬉しいです！正直同担なのが嬉しくて勢いで送ってしまっていたので笑お話とても面白かったです！ありがとうございました！！ (2020年10月17日 19時) (レス) id: 30c662d0e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めい | 作成日時：2020年10月4日 19時
