013 ym ページ13
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『……まだ、やま、』
遠くで誰かが俺を呼ぶ声がする。…ちょっと高くて、でも優しくて、甘い、声。
俺はこの声が、_____好きだなぁ。
『…んもう!山田!起きて!仕事だよ!』
「……ん……っえ?あ、」
『起きたー?おはよう。ごめんね、もう準備しないと流石に間に合わないかなと思ってさ』
アイマスクを外した俺の瞳に映ったのは。
ぱっちりとした二重に、長い睫毛。
シュッと通った鼻筋に、すべすべの肌。
衣装にも着替えて、髪のセットもバッチリな彼。
…ああ、今日も可愛いなぁ。って。
「っえ、伊野尾ちゃん…?!」
『うん、顔色はだいぶ戻ってきたね。あんまりゲームのやりすぎは良くないよー』
「ごめん…。あれ?他のメンバーは?」
『もうスタジオに向かった。俺たちは一番最後だからまだ少し時間はあるけれど』
「そっか」
壁にかかった時計を見ると楽屋に来てから30分くらい経っていた。
頭がスッキリして、なんだかよく眠れた気がする。
ソファから起き上がって、うーんと伸びをして。
…、え?
「俺、たち?」
『ん、そう。今日のペア、俺と山田だって』
『知念の言った通りになったの。ユニットで撮るんだって』という伊野尾ちゃんの言葉に、思わず自分の頬をつねった。
いひゃい。夢じゃない。
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急いで衣装に着替えて、メイクさんにあまりの隈に顔をしかめられながらも、しっかりと仕上げてもらって。
スタジオに向かい、大ちゃんに突撃した。
そこには俺以外のメンバーが揃っていて、口々に『大丈夫?』と聞かれたけれど。
返事も挨拶もそこそこに人気の少ない階段に大ちゃんを連れ出す。
『ちょ、お前、大丈夫なの?知念が凄い心配してたけど』
「さっき大丈夫になった!ねえ!どうしよう、俺!」
『あ〜、うん。フフッ、良かったね』
「大ちゃんが言ってくれたの?そうでしょ!俺本当に言ってくれるなんて、見直しちゃったよ」
『…ね。だから言ったじゃん?』
「さっきも寝てたの起こしてくれたの伊野尾ちゃんだったしさ!うれしかったー…実は昨日、雄也と二人でいるところ見ちゃって、ちょっと気落ちしてて」
『そうだったんだ。…今日の夜でも飯行く?』
「行く!話聞いてよ!」
『分かったって。とりあえず今は、』
「撮影楽しむ!」
『ハイハイ。フフッ、なんか今日お前思いっきり尻尾振ってるワンコみたいでちょっと可愛い』
「大ちゃんに言われても嬉しくねえー!!」
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めい(プロフ) - 梓実さん» 梓実さん初めまして。コメント有難うございます!ええ、泣いちゃったところ!どこでしょう! 何考えているのか読めないミステリアスな雰囲気を出せたらなと思っていたので、その感想はとっても嬉しいです! お読み頂き有難うございました! (2020年10月20日 12時) (レス) id: 8807fc94fe (このIDを非表示/違反報告)
めい(プロフ) - Kさん» Kさん、こちらこそコメント有難うございました!同担です〜よろしくお願いします!笑 お話の感想も有難うございます! (2020年10月20日 12時) (レス) id: 8807fc94fe (このIDを非表示/違反報告)
めい(プロフ) - みつこさん» みつこさん初めまして。コメント有難うございます!とってもうれしい感想です〜泣 こちらこそ最後までお読みいただき有難うございました! (2020年10月20日 12時) (レス) id: 8807fc94fe (このIDを非表示/違反報告)
梓実(プロフ) - とっても面白い作品でした!!思わず泣いてしまうところがあって…あんなに泣いたのは久しぶりです笑一瞬伊野ちゃんが怖かったのですが、なんだか安心しました笑笑 今からもう一度読み直してこようと思います!素敵な作品を、ありがとうございました!! (2020年10月19日 21時) (レス) id: 56b32f15d6 (このIDを非表示/違反報告)
K - お返事頂けるなんて嬉しいです!正直同担なのが嬉しくて勢いで送ってしまっていたので笑お話とても面白かったです!ありがとうございました!! (2020年10月17日 19時) (レス) id: 30c662d0e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めい | 作成日時:2020年10月4日 19時