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｢目覚めた？歩けそうなら自分で歩いて欲しいんだけど…｣
流石に三人抱えるのはキツい…と弱音を一つ。同い年としては随分とドスの効いてる声を出した男子生徒は見慣れないAが何者なのかと尋ねた。
｢呪術師だよ。って言っても知らないか…｣
彼の質問に答えながら、自分で歩けるわ！とやけに偉そうな彼を下ろす。改めて顔をしっかりと見たところでAは｢あ、｣と声を漏らした。
｢君…ヘドロ少年じゃん。｣
去年の冬の出来事。それを思い出したと同時に彼も｢あ！｣と声を上げる。知り合いのような彼の態度に首を傾げていれば｢嘘だろ！？｣とさらに声を荒らげる。目を覚ましてから元気な奴だ。
｢テメェ同中だったじゃねェか！同じクラスだったろ！！｣
そこまで言われて彼が爆豪勝己だという事を思い出す。｢あぁ｣なんて呑気な声に爆豪の額に血管が浮き出る。Aの｢いじめっ子少年｣という発言に爆発を起こさせた。ケラケラ笑いながら先を歩くAの後ろをふてぶてしい態度で着いていく。
Aの小脇に抱えているのは爆豪のクラスメイトだ。そいつは無事なのかと口を尖らせながら問いかければAは一瞬キョトンとしたから｢無事だよ｣と静かな口調で伝える。だが、もう片方の手で抱き抱えてる生徒はもう無事ではないだろう。一目でそれが分かって、目を逸らした。
吐き気がした。吐き出しこそしないものの、胸糞悪いものを見たと顔を歪めた。抱き抱えられていた男子生徒の顔半分は無くなっており、横腹が抉れていた。布がかかっていたが、意味はなかった。
｢お前…そういうもんは慣れてんのか？｣
｢うん。｣
その短い返事は酷く悲しいものだった。爆豪は自分の見た化け物をしっかりと覚えている。敵でもないその異形は何なのだと尋ねれば｢呪霊｣と呼ばれるものらしい。
｢人間の負の感情から出た"呪い"だよ。こういう学校とか沢山の人の思い出に残る場所は吹き溜まりやすい。後悔とか恥辱とかってのの受け皿になるからね。｣
普段目にする事は出来ないが、爆豪や小脇にいるクラスメイト、蛙吹が経験した死の直前とかイレギュラーな場面は見えてしまうらしい。隣を歩く元クラスメイトが遠い存在に感じた。
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くろいるか - んふふこの作品好きですねぇ、、この作品に出会えてよかったです！ (2022年8月24日 18時) (
レス) @page34 id: 7da9aef3db (このIDを非表示/違反報告)
千歳(プロフ) - 古参ですが何かさん» ありがとうございます！ふわっと終わりましたが、褒めていただけてとても嬉しいです！！ (2022年1月23日 11時) (レス) id: 077184ce48 (このIDを非表示/違反報告)
古参ですが何か - 個人的に好きなところは、他のかたは漫画っぽい終わり方で、この作品はアニメっぽい終わり方で続きが自分で考えれて良いですね！私はキャラと付き合うとかの内容や、夢主が鈍感とか、キャラの分かりやすい好きアピールが苦手なのですが、落ちが無いところも好みです！ (2022年1月23日 5時) (レス) @page34 id: 465d9a763d (このIDを非表示/違反報告)
千歳(プロフ) - 青折り紙さん» わぁ！ありがとうございます！未熟者ですが、よろしくお願いします。 (2022年1月12日 18時) (レス) @page11 id: 077184ce48 (このIDを非表示/違反報告)
青折り紙 - 雄英高校に入学する小説は結構見たことありますが、このタイプは見たことなくて感動してます〜文才あるの憧れます！応援してます。 (2022年1月12日 6時) (レス) @page11 id: 157c6e138f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：千歳 | 作成日時：2022年1月9日 7時
