38.お花見 ページ3
「雲雀さん、なぜ花見のために呼ばれたんでしょうか?」
「群れずに桜を楽しみたいからね。君も人払いしてきてよ」
日曜日、早朝に公園に呼び出されたAはそんな身勝手な理由を聞かされて本当にこの人自由だなと思う。
「雲雀さん、ここは私有地でもなくみんなのもので……」
「みんなのものは僕のものでしょ」
「そんなさも当然のように言われても困ります」
はあ、とため息をつきながらも雲雀が引かないことくらい分かっていたのでAは先に持ち場についているらしい先輩の元へ向かった。
何て言って人払いしようかと思っているとどしゃっとその風紀委員の先輩が倒れるのが見えた。
「あれ、三人とも」
「Aちゃん!どうしてここに……」
と言った後にツナはAの風紀の文字の腕章に目がいった。それは山本や獄寺も同じらしい。
「桜井、風紀委員にはいったのか?」
「てめぇ、いつのまに10代目を裏切ってたんだ!」
「はい?ああ、半ば無理やり風紀委員に入れさせられて、」
「騒がしいと思えば君達か」
「雲雀さん!」
そこで雲雀が現れた。ぴりと走る緊張感。Aだけは慣れたもんだと苦い顔をする。
「僕は群れる人間を見ずに桜を楽しみたいからね。彼に追い払って貰っていたんだが、君は役に立たないね」
「い、委員長」
「弱虫は土にかえれよ」
雲雀は仲間でも容赦なくトンファーで殴った。トンファーには血が付いていて容赦のなさが見て取れる。
「見ての通り僕は人の上に立つのが苦手なようでね。屍の上に立ってる方が落ち着くよ」
「(相変わらず怖いこと言うなあ)」
ツナたちも顔を青ざめる。これはどうしたものかと思っていれば呑気な声が聞こえてきた。
「いやー絶景絶景!花見ってのはいいねー♪」
「Dr.シャマル!」
「かわいこちゃんはAしかいねーのか。おまえ、友達呼んでこい。可愛い子」
シャマルが木の陰から酒を片手に出てきた。まだ朝だと言うのにもう出来上がっている様である。
「まだいやがったのか!このやぶ医者ヘンタイ!スケコマシ!」
「獄寺くん、すごい言い様だね」
「獄寺くんの城の医者の一人だったらしいよ」
ツナにこっそり教えてもらって、なるほどと思う。しかしまあなぜ彼がいるのだろうか。
「オレが呼んだんだ」
「リボーン!」
「赤ん坊、会えて嬉しいよ」
リボーンがいるということはまた嫌な予感がする。そういう時は大抵あたるのだ。
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しゃけ(プロフ) - このお話の最終話のほんと最後の部分で、苗字の設定がデフォルトのままです……! (2020年9月8日 21時) (レス) id: 739f78e142 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - もちぱふぇさん» そう言って頂けますと大変励みになります……!更新頑張ります!コメントありがとうございました^^ (2020年6月11日 10時) (レス) id: 1c1bad133d (このIDを非表示/違反報告)
もちぱふぇ(プロフ) - こんにちは!この作品ほんと好きでいつも楽しく見させてもらってます!これからも頑張ってください! (2020年6月10日 21時) (レス) id: c725358c65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レイ | 作成日時:2020年6月6日 10時