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倒れこむ獄寺をビアンキと二人でツナの部屋まで運んでいくと、そこには山本とハルとランボまでいた。
「Aちゃん!?」
「桜井、なんでツナんちに?」
「家庭の事情で今お世話になってるの。ツナくん、獄寺くん寝かせてあげてもいいかな」
「うん」
かわるよ、とツナが獄寺をAのかわりに支えてベッドに寝かせる。不憫だな、とAはしみじみ思った。こうなった張本人のビアンキは平然とプリントを見ていた。
「これ宿題のプリントなんだけど、この問7がわからなくてよ」
と言って山本のプリントを見せてもらう。これ、中学レベルじゃないんだが。
「Aちゃん、わかる……?」
「うーん……わからないかな……。リボーンさんなら解けるんじゃないかな?」
と言ってリボーンを見るがハンモックに揺られて寝ている。そもそも補習の宿題にこんな問題をだすのはおかしいんではないだろうか。
「そっか……」
「Aちゃんがツナさんと同棲してるなんて……」
「え、ハルちゃんまだそこ?あと同棲じゃないよ。同居だよ」
まだ話が止まっていたハルにそう言っていると突然ビリっという紙を切る音がした。見ればビアンキが「大事なのは愛よ」とわけのわからないことを言って破っていた。
「どーでもよくないよ!落第かかってんだよー!」
「まーまーオレのコピーすっから」
というかこの問題解けないと落第なんて鬼畜すぎる。
そのときピンポンと呼び鈴が鳴ったのでAは下に降りた。
「どちら様ですか?」
「ハルの父親です。わからない問題があると聞いて伺いました」
メガネをかけてスーツを着たおじさんがそう言う。
「ハルちゃんのお父様でしたか。どうぞ二階の手前の部屋になります」
Aはそう言ってスリッパを用意した。ハルの父は礼を言って上へあがっていった。
「幻の天才数学者ボリーン博士その人だ!」
お茶を用意して上に上がればどうやら問題は解けたらしい。それでリボーンはボリーンというふざけた改名で数学者だったという事実が判明したようだった。
「世の中に似たやつなんてゴロゴロいるしな」
「そっ、そーだよね!」
いやたぶんリボーンさんだろうな、とAは思う。本当にこの人パーフェクトな人だなと。
「ツナさんとAちゃんが同棲……」
「ハルちゃん、だから同居だよ」
「それでもハルは負けません!」
「私の言葉は全く届いてないね」
すごいなこの一方的感は。
これは慣れるしかないと思うのだった。
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200526
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レイ(プロフ) - しゃけさん» 夢書きとしてそういったご感想を頂けるのは本当に嬉しいです……!コメントありがとうございました! (2020年9月8日 18時) (レス) id: df9096b5a8 (このIDを非表示/違反報告)
しゃけ(プロフ) - すごい、下の方もコメントしていますが本当にこの物語の夢主ちゃんは馴染んでいますね…。原作に入れたみたいな感覚で、とっても面白いです!続きぶっ通しで読みます。 (2020年9月7日 21時) (レス) id: 739f78e142 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - めぐさん» そう言って頂けますととても嬉しいです……!ありがとうございます(*^^*) (2020年6月22日 9時) (レス) id: 1c1bad133d (このIDを非表示/違反報告)
めぐ - さっき見つけて今読んでいる最中だけど、リボーンの物語の中に夢主ちゃんがすごーく自然に存在してて好きです (2020年6月21日 12時) (レス) id: 5732f558d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レイ | 作成日時:2020年5月24日 16時