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Aはその言葉にビアンキを少し殺気を持った目で見る。9代目の養子になった際、ボンゴレが付け加えられたその名前。
「……ビアンキさん、それって誰から聞きました?」
「リボーンよ。さっき聞いたの」
「ふーん……」
Aは少し冷めた目になりビアンキから視線をそらした。
「気に障ったならごめんなさい」
「いえ、でもビアンキさん、私本当に平和なところで生きたいんです。マフィアのボスの花嫁とかもううんざり。決められた相手とじゃなくて普通の人と恋したいんです」
だから、黙っていてもらえますか?
Aがそう聞くと、ビアンキは意外にもすぐ頷いた。
「わかったわ」
「よかった、話のわかる人で」
「話がわからなかったらどうするつもりだったのかしら」
「やだな……何もしませんよ。みんなにバレたら私の居場所はなくなる。ただそれだけ」
Aが少し寂しげな顔でそんなことを言うのでビアンキは泡立て器を置いて、ぎゅっとAを抱きしめた。
「び、ビアンキさん?」
「そんな顔させたかったわけじゃないのよ」
ごめんなさいとビアンキが言うのでAはなぜビアンキが謝るのかわからず頭に疑問符を浮かべた。
「あなたの夢、応援するわ。素敵な恋をすることね」
「!ありがとう、ビアンキさん」
Aが嬉しそうにふわふわ笑うのでビアンキも小さく笑った。
というか追い出そうとしている相手とすっかり仲良くなってしまった。
「ビアンキ!ちょっときて!」
そこでツナが外からビアンキを呼んだ。どうやら大人ランボを出すことに成功したらしい。
ビアンキが外に出ると小型のプールに服のまま入っている大人ランボがいた。
「ロメオ!!」
ビアンキは元彼の名前だろうか、男の名前を呼んで大人ランボに駆け寄った。そして
「ポイズンクッキングII!!」
「なにーっ!!」
先程話しながら作っていたケーキをランボにぶつけた。なんてこった。罪のない牛男が一人消されてしまった。
「ビアンキと元彼は別れる直前とても険悪だったらしいぞ」
「えーっ!」
「が……ま……ん」
ランボは一言そう言ってがくりと気を失った。
「ら、ランボくん、しっかり!」
「寝ちゃだめだ!泣いてくれー!」
あわあわするAとツナの横でリボーンが、10年後の医療なら助かるかもなとのんびりいうのだった。
あとで獄寺から聞いた話だが元彼の死因は食中毒だったらしい。ランボが無事で良かったがもう少し早く思い出してほしかった。
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200526
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レイ(プロフ) - しゃけさん» 夢書きとしてそういったご感想を頂けるのは本当に嬉しいです……!コメントありがとうございました! (2020年9月8日 18時) (レス) id: df9096b5a8 (このIDを非表示/違反報告)
しゃけ(プロフ) - すごい、下の方もコメントしていますが本当にこの物語の夢主ちゃんは馴染んでいますね…。原作に入れたみたいな感覚で、とっても面白いです!続きぶっ通しで読みます。 (2020年9月7日 21時) (レス) id: 739f78e142 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - めぐさん» そう言って頂けますととても嬉しいです……!ありがとうございます(*^^*) (2020年6月22日 9時) (レス) id: 1c1bad133d (このIDを非表示/違反報告)
めぐ - さっき見つけて今読んでいる最中だけど、リボーンの物語の中に夢主ちゃんがすごーく自然に存在してて好きです (2020年6月21日 12時) (レス) id: 5732f558d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レイ | 作成日時:2020年5月24日 16時