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9.姉 ページ40

「あれ?獄寺くん?」

Aが奈々から頼まれた買い物をしているとき八百屋で獄寺を見つけた。
声をかけると獄寺はこちらを向く。

「桜井」
「おっ、Aちゃんじゃねえか!」
「おじさんもこんにちは」

Aがにこにこ笑っていえば八百屋のおじさんもにかっと笑った。よくおまけしてくれるおじさんで一人暮らしの頃からお世話になっている。

「なんだあんたAちゃんの彼氏だったんだなぁ!」
「なっ!?」
「あはは私なんかじゃもったいないよ獄寺くんは」
「……」

Aの平然とした返しに獄寺は少し微妙な気持ちになった。

「獄寺くんも買い物?」
「ああ。10代目に美味しい果物を食べてもらおうと思ってな」
「そっか。あ、スイカなんていいんじゃない?」
「さすがAちゃん、いいとこに目をつけたねー。それ、すごく甘いよ」
「じゃあこれ一つくれ」
「まいど!」

しかしまあひと玉買うとは獄寺くん、中学生の分際でお金持ってるな、と思う。
Aも野菜を買えば、獄寺はかせ、と荷物を持ってくれた。

「ありがとう。獄寺くんって優しいよね」
「ああ!?そんなんじゃねーよ」
「そうかな。ふふ、ツナくんも優しいから類は友を呼ぶってのは本当なのかもね」
「!まーな!10代目は懐が広いお方だからな!」

褒められて嬉しいのか獄寺は上機嫌にそういった。しかしまあこの盲目的に敬愛している姿が誰かと重なる。最近会った誰かに。

「そういやおまえの家は?」
「え、えーと、今ね、家庭の事情でツナくんの家にお世話になってるの」
「なんだと!?おまえなにか迷惑かけてねーだろーな!」
「うーん、お世話になってる立場だから迷惑かけてると思うけどとりあえず出来る限り邪魔にならない努力はしてるかな」

Aがいえば獄寺はじっと彼女を見て「……ふーん」と言った。よかった、ここでドンパチされるのかと思った。

「獄寺くん、お洒落だよね」
「はあ!?なんだよ急に」
「いや私服初めてみたとおもって。そのバングル、ヴィンテージものでしょ?」
「!よくわかったな。おまえこーゆーの疎そうなのに」
「うんまあ実際疎いんだけど」

男の子のお洒落はあまりわからなかったが獄寺がそういうのにこだわっているのは一目で感じ取れた。ガラが悪いといえばそうなんだが。

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レイ(プロフ) - しゃけさん» 夢書きとしてそういったご感想を頂けるのは本当に嬉しいです……!コメントありがとうございました! (2020年9月8日 18時) (レス) id: df9096b5a8 (このIDを非表示/違反報告)
しゃけ(プロフ) - すごい、下の方もコメントしていますが本当にこの物語の夢主ちゃんは馴染んでいますね…。原作に入れたみたいな感覚で、とっても面白いです!続きぶっ通しで読みます。 (2020年9月7日 21時) (レス) id: 739f78e142 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - めぐさん» そう言って頂けますととても嬉しいです……!ありがとうございます(*^^*) (2020年6月22日 9時) (レス) id: 1c1bad133d (このIDを非表示/違反報告)
めぐ - さっき見つけて今読んでいる最中だけど、リボーンの物語の中に夢主ちゃんがすごーく自然に存在してて好きです (2020年6月21日 12時) (レス) id: 5732f558d7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:レイ | 作成日時:2020年5月24日 16時

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