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そして、家出のように飛び出してきたのだ。熱を出して寝込んでるなんて格好悪いことを知られたくなかった。

「そう……。なら尚更一人にはしておけないわ」
「……親子……」
「え?」
「いえ……」

まるで同じことを先ほどあなたの息子に言われましたとAは思った。

「この部屋を使ってくれればいいし、ね?Aちゃん」
「いやでも……」
「あ!」

急に声を上げる奈々にAがびくりと震える。何か名案を思いついたらしい奈々がにこにこして言った。

「Aちゃん!ここに住んだらいいんじゃないかしら!」
「「(どうしてそうなったー!!)」」
「ね、ツっ君。Aちゃん一人でお家で暮らすよりも安心よねぇ」
「え!?まあそれは、たしかにそうだけど……」
「!いや!いやいやいや、それは、流石に……!」
「A」

そこでリボーンが窓からやってきては書類を布団の上にばらまいた。
Aの家の契約書のようだった。

「そういう話になると思ってあの家、人に貸してきたぞ」
「!!」
「リボーン!おまえなに勝手に人んちを……!」
「来月には人がはいるからな」
「ちょ、………………おいまさかそれが狙いだったんじゃないだろうな……」

Aが低い声で言えばリボーンはにっと笑った。

(なんか今Aちゃんらしかぬ口調が……)
「家来た時から怪しいとは思ったんだよ……!」
「猫かぶりがとれてんぞ。あと家寄ったのはツナが心配だっつったからだ」
「っ、はあ…………」

Aはくたりと背中を壁につけて額に手を当てた。また熱があがってきているのだろう。

「……ごめんなさい、お言葉に甘えても、いいですか……?」
「!ええもちろん!Aちゃん、謝る必要なんてないのよ」
「ですが……ツナくんも、ごめんね」
「う、ううん!」
「(くっそ、はめられた……)」

Aが留守の間に家の契約書諸々盗られたのだろう。というより、そんなものがなくともボンゴレの裏工作で家を勝手に貸しにだすなど容易いだろうに。
ただAが出て行く理由が必要だった。ごく自然な流れでツナの母親にそう言わせる口実が。

「おいツナ。おまえはあっちで宿題すんぞ」
「え、いった!引っ張るなって!!」

リボーンがツナをまるで無理やり外に追い出した。奈々と二人きりになってAはどうしたものかと考えていると奈々はにっこりと笑った。

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レイ(プロフ) - しゃけさん» 夢書きとしてそういったご感想を頂けるのは本当に嬉しいです……!コメントありがとうございました! (2020年9月8日 18時) (レス) id: df9096b5a8 (このIDを非表示/違反報告)
しゃけ(プロフ) - すごい、下の方もコメントしていますが本当にこの物語の夢主ちゃんは馴染んでいますね…。原作に入れたみたいな感覚で、とっても面白いです!続きぶっ通しで読みます。 (2020年9月7日 21時) (レス) id: 739f78e142 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - めぐさん» そう言って頂けますととても嬉しいです……!ありがとうございます(*^^*) (2020年6月22日 9時) (レス) id: 1c1bad133d (このIDを非表示/違反報告)
めぐ - さっき見つけて今読んでいる最中だけど、リボーンの物語の中に夢主ちゃんがすごーく自然に存在してて好きです (2020年6月21日 12時) (レス) id: 5732f558d7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:レイ | 作成日時:2020年5月24日 16時

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