3.真っ二つ ページ13
「桜井、君はいつも素晴らしいな」
「……いえ、そんなことは……」
理科の授業は嫌いだ。いや教科としては別にいいのだが問題は教えている教師だ。
根津という眼鏡の先生はいつも、……なんというかスキンシップをとってくるので苦手なのだ。
今もテストを返してもらおうと手を出したのに握られている。
正直気持ちが悪いためどうにかしたいが今の自粛している自分にはどうにもできない。
「謙遜はよしたまえ」
「……は、はあ……」
「それに比べて……」
根津はAの後ろを見やるのでその隙に手を抜いてテストをもらった。
Aの後ろにはツナがいたらしい。さっさと自分の席に戻ると花が声をかけてくれる。
「A、そろそろセクハラで訴えてもいいんじゃないの?」
「う、うーん……」
つーか殴りたいけど、という本心は言わないでおいた。
「お、26点ー!」
「やっぱダメツナかよー!」
また嫌味なことを言いながらツナのテストを返したらしい。テストの点数までクラスにバラされてツナは恥ずかしそうに席に戻った。あと1点あれば27点でツナくんと名前が一緒だったのに惜しい、と思っているのはAくらいだろう。
その馬鹿にしたような空気はがらっと遅刻してきた生徒のドアの音でかわった。
「獄寺くん……」
不良っていうかマフィアなんだがこの並盛には似合わない貫禄である。
「コラ!遅刻だぞ!今ごろ遅刻してくるとはどういうつもりだ!!」
「ああ!?」
注意する根津に意外だなとAは思ったがそのあとのガンを飛ばした獄寺には身を縮こませて何も言えなくなってしまった。
「やっぱこえーよ……」
「先輩たちをしめかえしたって話だぜ」
転入2日目でもう武勇伝を作ったらしい。ひそひそと囁かれる言葉に、これだからマフィアは、なんて思った。
すると獄寺はこちら、というよりツナの元へと向かってぴしっときょうつけをしては
「おはよーございます10代目!!」
と元気に挨拶をした。いや挨拶は大事だが今するタイミングか?
しかもツナに挨拶した時点で教室中がざわめいた。
「あ?桜井もいたのか」
「うん、おはよう獄寺くん」
「ん、はよ」
それにはまたざわっと騒がしくなる。
や、やっぱ桜井さんは誰にでも優しいんだな
不良とか関係ねえんだよ彼女の中では
心が洗われるな
とかなんとか。普通に考えて挨拶無視するわけにはいかないだろ!と内心つっこむ。
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レイ(プロフ) - しゃけさん» 夢書きとしてそういったご感想を頂けるのは本当に嬉しいです……!コメントありがとうございました! (2020年9月8日 18時) (レス) id: df9096b5a8 (このIDを非表示/違反報告)
しゃけ(プロフ) - すごい、下の方もコメントしていますが本当にこの物語の夢主ちゃんは馴染んでいますね…。原作に入れたみたいな感覚で、とっても面白いです!続きぶっ通しで読みます。 (2020年9月7日 21時) (レス) id: 739f78e142 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - めぐさん» そう言って頂けますととても嬉しいです……!ありがとうございます(*^^*) (2020年6月22日 9時) (レス) id: 1c1bad133d (このIDを非表示/違反報告)
めぐ - さっき見つけて今読んでいる最中だけど、リボーンの物語の中に夢主ちゃんがすごーく自然に存在してて好きです (2020年6月21日 12時) (レス) id: 5732f558d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レイ | 作成日時:2020年5月24日 16時