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「ちゃおっス、A」
見覚えがありすぎる赤ん坊。
黒のスーツに帽子。赤ちゃんにはそぐわないその格好。
何も知らなければ、そのたれ眉とくるんとしたもみあげ可愛い〜なんて言ってハグしたいほど愛らしい姿なのだが、彼がどれほど危険な人なのかよく知っていたAは顔を引きつらせた。
まごうことなき、彼はマフィア関係者であるから。
しかし、引き返せない。引き返したくないAは何も知らない人を意地でも装うことにした。
「人違いされてるんじゃないですか?では!」
「お前、オレから逃げられると思ってんのか?」
いくらお前の逃げ足が流れ星並だとしてもな。
彼はそう言って、Aが走り去る前に腕をとった。
「しらを切るつもりならお前の黒歴史、全校生徒にバラすぞ」
「うわーん!!リボーンさんのバカ!酷い!鬼畜!!」
分かっていた。彼、リボーンから逃げられるはずがないと。分かっていたけれど少しくらい気持ちを悟ってくれてもいいのではなかろうか。Aは半泣きになりながらリボーンを見た。
「リボーンさん!私はイタリアには戻りませんからね!ここでお淑やかなごく普通の中学生やってるんですから!」
「おしとやか、か。口の悪さは上手く隠してんだな」
「それはもう結構前から直してます!」
口調というのは周りの影響を受けやすいらしい。
男が多い世界、しかも口の悪い血の繋がらない兄やその仲間も近くにいたのだ。それを見兼ねた世話役兼主治医に少しでも女の子らしくと直されたのである。
「というか……リボーンさん、私を連れ戻しにって感じではなさそうですね」
「まあな」
落ち着いてリボーンを見てそう思うと彼は簡単に頷いた。なんだ。焦り損。
「オレがどうしてここにいるか聞きたいか?」
「え、いえ、私のことでいるんじゃないなら何も聞かないことにします」
「実はな、」
「私の声届いてます?」
「ボンゴレ10代目の家庭教師として来たんだぞ」
ひゅっと喉が鳴った。
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レイ(プロフ) - しゃけさん» 夢書きとしてそういったご感想を頂けるのは本当に嬉しいです……!コメントありがとうございました! (2020年9月8日 18時) (レス) id: df9096b5a8 (このIDを非表示/違反報告)
しゃけ(プロフ) - すごい、下の方もコメントしていますが本当にこの物語の夢主ちゃんは馴染んでいますね…。原作に入れたみたいな感覚で、とっても面白いです!続きぶっ通しで読みます。 (2020年9月7日 21時) (レス) id: 739f78e142 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - めぐさん» そう言って頂けますととても嬉しいです……!ありがとうございます(*^^*) (2020年6月22日 9時) (レス) id: 1c1bad133d (このIDを非表示/違反報告)
めぐ - さっき見つけて今読んでいる最中だけど、リボーンの物語の中に夢主ちゃんがすごーく自然に存在してて好きです (2020年6月21日 12時) (レス) id: 5732f558d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レイ | 作成日時:2020年5月24日 16時