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社内の日常 4 ページ5

『は〜…』

太宰がいなくなった後、再度恥ずかしさが寄せ帰ってきたAは真っ赤な顔を隠すように手で覆って深い溜息をついた。

『恥ずかしかった…、何なの太宰さん…』
「あっはっは!災難だったねぇA!」

どこか楽しんでいる様子の乱歩さんに、どうして助けてくれなかったんですか…!と訴えてみるも、彼は、僕の前で羞恥に身をよじらせるAがなかなかに良かったから!良いもの見れた!と上機嫌に太宰が残していったケーキを口に入れた。Aはまたその言葉の真意をくみ取れず、ただ首をかしげるだけだった。

「あ、あの…、大丈夫でしたか、Aさん…」

先ほどまで太宰が座っていた場所に、今度はAを心配している様子の敦が座る。

『うん…、ごめんね、騒がしかったかな…』

えへへ、と笑ってみせるAの顔は未だに赤く、そして好きな女性から微笑まれた敦の顔もまた簡単に同じぐらい朱に染まった。

「いっ、いえいえ!!全然!!」

『駄目だなぁ、私は。太宰さんのからかいに上手くいなせられるようになりたいんだけど…』

あれだけやってからかいだと思われてる太宰も太宰で可哀想だな…、と思った言葉を乱歩はケーキとともに飲み込んだ。
しょんぼりとしながら一口分のケーキを口に運ぶAに敦は声をかける。

「…でも、僕はAさんの純真なところ、すごく好きです」

『え?』

驚いたように自身を見つめる愛しい人の瞳に、敦は一瞬自分がとんでもない言葉を漏らしてしまったことに気づくのが遅れた。

「あぁぁあぁああ!!!いや、あのですね!?その、あの、違くッて!!イヤ何も違く無いんですけど!!」

突然身振り手振りを大きくし、挙動不審になった敦をポカンと見るA。
敦が何にそんなに慌てているのかはわからないが、自分を励まそうとしてくれたのは十分に伝わってきた。

『ふふ、敦くん。ありがとう。そうだ、このケーキいる?とても美味しいよ』

だからお礼にと、手に持っていたフォークで自分のケーキを切りその一欠片を敦の目の前に差し出した。

「えぇっ!!!??」
「ちょっとA!何で敦にするの!?普通名探偵である僕にするべきでしょ!?」
大きな声を上げて再度慌て出す敦と、先ほどまで優雅に腰掛けていたソファから立ち上がり文句を言う乱歩。

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牧野江(プロフ) - 黄身麻呂さん» コメントありがとうございます。芥川のお話は特に書きたいものだったのでそう言っていただけるととても嬉しいです。主人公ちゃんに付きまとって勝手にメロメロな芥川、文字列だけでも最高です。書かせていただきます!ありがとうございます。 (2021年1月5日 19時) (レス) id: c6b47ba73e (このIDを非表示/違反報告)
黄身麻呂 - とてもクオリティが高いこの小説が大好きです!特に主人公を勝手に神格化する芥川が性癖に響いて「邂逅」は何度も読み返してます(笑)リクエストで、もし可能でしたらまた主人公に付き纏ってメロメロな芥川がみたいです!よろしくお願いします!! (2021年1月3日 0時) (レス) id: 1955a7e5f1 (このIDを非表示/違反報告)
牧野江(プロフ) - 紅月ミレーさん» 遅くなりまして申し訳ありません。自己満のためにこの話を書いているので自分の欲を優先してリクの話は書く事が遅れてしまうかも知れませんがそれでもよろしければリクエストも受け付けようと思います。ありがとうございます。 (2020年11月27日 13時) (レス) id: c6b47ba73e (このIDを非表示/違反報告)
紅月ミレー - すみません、リクは有りですか(´・ω・`)? 太宰治様に笑顔で呼ばれるシーンを何度も見てしまいます(*^□^*) (2020年10月8日 18時) (携帯から) (レス) id: a496965e6a (このIDを非表示/違反報告)
紅月ミレー - 牧野江さん» ありがとうございます(≧∇≦) 楽しみに待ってます(*^□^*) 今回も面白かったです、皆心配してたんですね(^ω^) (2020年9月16日 17時) (携帯から) (レス) id: a496965e6a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:牧野江 | 作成日時:2020年8月30日 1時

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