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Trust ページ14

ru side


「起きろ、」



誰かにそう言われて気が付くと


俺は、


フカフカのベッドで眠っていたみたいだ


視界に映る知らない天井


額に貼られた冷えピタ


…どういうことだ?




動揺していると





その人は全部を話してくれた





その人が看病してくれたのだろう









……この人は、



悪い人じゃない



母みたいな人じゃない





根拠なんてないけれど、



俺は何故かそう、確信した





だから言ったんだ





ru「…あの、しばらく僕を、此処に置いてくれませんか……?」




って





するとその男の人は



……取り敢えずさ、お前、名前は?







寂しそうな、

辛そうな、

何かを抱え込んだような、



そんな感情を押し殺した表情で言った




ru「ラウール、です」



mg『OK、ラウールね。俺は目黒、』



ru「メグロさん、」



mg『単刀直入に聞くけどさ、』



メグロさんの声のトーンが僅かに変わった



低くなった



無意識に背筋を伸ばす




mg『お前、死にたいって思ってた?昨日』




ru「、はい」



何も考えられず、


反射的に頷く



 
mg『それは何で?』






メグロさんには、何も隠せそうにないみたいだ




俺は全てを洗いざらい話した



まだ出会って間もないメグロさんに話すうち、



メグロさんの表情は険しくなった




全て話終わる頃には



俺の顔は涙でぐしょぐしょだった




メグロさんは真っ白なタオルを雑に渡して言った




mg『…俺は君を助けることはできない』





酷く思い詰めた表情だった




その表情で、僕は分かってしまったんだ





メグロさんも、


死にたいんだ



ってことに




だから、


僕が此処に置いて、って言った時


寂しそうな顔をしてたんだ



だから、昨日、僕と同じだって言ったんだ






でもきっと、



メグロさんの"死にたい"と

僕の"死にたい"の


重さは違う




僕の『死にたい』なんて所詮、


どうせすぐ消えるものだ



兄と母のことを忘れたら、



兄と母以上に大切な存在を見つけたら、




簡単に消える



その程度だ







Trust…信頼

Don't die→←_



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作者名:Nana* | 作成日時:2021年1月11日 23時

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