＊２９−２＊ ページ39
翌朝目が覚めたら、もうヒチョルは居なかった。
当たり前といえばそうなんだけど、ちょっとだけ寂しかった。
しんとしたリビングに向かって、昨夜座ったテレビの前のソファに腰を下ろす
私が購入しておいた洋服のタグがリビングのテーブル上に散乱してる。
慌てて出かけたんだと思うと笑ってしまった。
ふと気付く。テーブルの上に、一枚のメモ
”離れたりしない、不安になったら呼べばいい。何でもすぐに言って欲しい。 希”
ヒチョルからのこういう優しさ、いちいちときめくなんて、本当にわたしヒチョルの事好きすぎるんだ。
ケータイでそのメモを撮影して、胸に抱く。
もうずっと外さずにつけてるピアスに触れると、じわっと涙が出そうになるから慌てて上を見た。
未来を考えて不安になるのはやめよう。
どうあがいてみても、そのときはなるようにしかならない。
もしかしたら、こうしている間にもヒチョルの心を奪ってしまうような人が、生まれてるかもしれない。
とびっきり年下の可愛い女の子かもしれないし。
私より年上のセクシーな女の人かもしれない。
いろんな意味で彼は魅力的な人間だ。
私との未来が約束されたとしても、若い子に心が揺らぐことだってあるだろう。
そうだとしても、抗う事は出来ないんだ。
ヒチョルの気持ちは、ヒチョルのものだから。
今は只、素直に、彼の隣に居られる事を幸せに思うことにしよう。
私が笑っていれば、ヒチョルも幸せだろうし。
ピンポーンとなるインターホン。
宅配らしい…。玄関に置いてもらってサイン。
差出人は…何処かの会社の名前。
もっと確認すればよかったな。
だけど、スポンサーからかもしれないし、捨てるのはダメだよね。
警戒心の薄い私は、それを開けてしまった。
「なに…これ。」
中身をみて、頭が真っ白になった。
悪夢でも見ているのだろうか？
ジーッと視線を感じて辺りを見回すけど、誰も居ない。
「誰か、この家に入った？」
感じる違和感の正体は何？
幸せから地獄へ。
私を疑心暗鬼にするそれは、静かに箱の中に鎮座していた。
ガタガタ手が震えだして、私は慌てて携帯電話を探した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 326人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「K-POP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しお(プロフ) - jonticさん» ありがとうございます！SJのお話は実はこれが初めてで、試行錯誤だったりしますｗｗ更新頑張ります！ (2014年6月10日 14時) (
レス) id: c026f6b756 (このIDを非表示/違反報告)
jontic(プロフ) - うふふ。そうです、、最近自分の更新すらおぼつかなく以前のように他の作家さんの作品を読んでいなかったのですが見つけちゃいました！更新楽しみにしています！ファイティング！ (2014年6月9日 20時) (レス) id: 1fe14e6c9e (このIDを非表示/違反報告)
しお(プロフ) - jonticさん» まさか!!!間違ってたらすみません。チャニョルとミノのお話書かれてますよね？！ひー!!!実は読んでます！（ほかの作品はまだ手が付けられてません、作品の数を見て白目）恐れ多くもコメントいただけるなんて!!!すみません、私コメント残さず読んでます！ひー（白目） (2014年6月9日 11時) (レス) id: c026f6b756 (このIDを非表示/違反報告)
しお(プロフ) - minoko1002さん» ありがとうございます。毎日更新していきますので時々もやもやさせてしまうかもしれませんが（いいところで切れてたりしがちなんです、私）最後までお付き合いくださるとうれしいです (2014年6月9日 11時) (レス) id: c026f6b756 (このIDを非表示/違反報告)
しお(プロフ) - 藍さん» ありがとうございます。番号のふり間違いです。直しました (2014年6月9日 11時) (レス) id: c026f6b756 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：汐
| 作成日時：2014年5月14日 9時
