＊１９−３＊ ページ13
ロケの終わり、ヒチョルから連絡が入った。
日本語わからないくせに、観光に出歩いてきたらしくって。
ホテルに戻るとたくさんのお土産がテーブルを占拠していた。
予定より大分早くロケが終わったので、もう仕事は終わりだった。
ヒチョルには明日には帰るといっていたけど、せっかく一緒に居てくれるんだからと明日会いに行くことにした。
仕事の事を気にしたら”大丈夫だっていってんだろ”というのでそれ以上は問いただしたりしなかったけど。
帰国後聞いた話では、メンバーが相当苦労したらしい…。
HC「例の旅館のおっさんと連絡ついた？」
「あ、そのことだけど…」
もう旅館の支配人には昨日の時点で会いに行って来たことを告げると、ヒチョルは”エーイ”って顔をしかめた。
HC「細かく報告しろよ！ほうれんそう！だろ？！」
「日本の言葉、良く知ってるね？」
HC「なめてるのか、俺を」
「いや、意外だと思って」
どうも最近話がずれていく。
それだけお互いに心を開いているのかもしれないけど。
「明日、わたしのお母さんだと思われる人の知り合いの踊りのお師匠さんに会いに行くの。」
HC「そっか。一緒にいってもいいのか？」
「うん、側に居てくれるだけで安心するから、でもヒチョルはイヤじゃない？」
HC「言葉がわからないからか？」
「うん…」
こんな風にヒチョルに甘えるのも、無理をお願いするのも初めてかもしれない。
これから知ろうとすることがどんなことなのか全く想像もつかないから、怖い。
ヒチョルとであった頃”怖い”と言っていた自分に、今なら説明がつく。
ただそこに、触れれば体温を感じられる距離に、ヒチョルが居てくれるだけで。
わたしはとても強くなる気がしていた。
HC「…不安だろうけど、いくんだろ？」
「うん」
HC「俺行き方も帰り方もわかんねえ。…はぐれたら迷子になるから、一人にすんなよな。」
強い口調だったけど、言ってる中身が小学生男子で思わず笑えた。
それもヒチョルなりのやさしさだってわかったから、わたしは笑いながらヒチョルをぎゅーっと抱きしめた。
細くて綺麗な指が、頭を撫でてくれて。
わたしは息するのが苦しくなった。
切ないが溢れて、好きになって。
好きが溢れて、愛してるになって。
愛してるが溢れて、怖いになって。
怖いが集まって、信じられなくなって。
離れたけど、魂がヒチョルを求めてたから。
今こうして側に居ること以上のことは、もう望んではいけないと思った。
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しお(プロフ) - ねっこべくひょんさん» わあ！ありがとうございます！嬉しいです♪初めてのヒチョル様作品になりますので、楽しいと言っていただけて感激です。毎日コンスタントに更新できるように頑張ります♪ (2014年5月11日 9時) (
レス) id: f8fa8d899f (このIDを非表示/違反報告)
ねっこべくひょん(プロフ) - 昨日見つけたのですが、このような大人っぽいどろどろしたストーリーが初めてで、楽しく読んでいます！更新がんばってくださいね(*^_^*)待ってます！ (2014年5月11日 8時) (レス) id: ed49e8abb2 (このIDを非表示/違反報告)
しお(プロフ) - naeponさん» ありがとう♪しかし、昼頃見つけてしまったんだ。ヒチョル様のｳｷﾞｮﾙキス写真に、死亡。 (2014年4月25日 12時) (レス) id: f8fa8d899f (このIDを非表示/違反報告)
naepon(プロフ) - しおちゃん♪の書く小説だいすきだよぉ(^3^)/ (2014年4月25日 9時) (レス) id: 611870be34 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：汐
| 作成日時：2014年4月25日 8時
