こんなヒロインは嫌だ。【オリジナル】

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読み終わるのには、かなり時間がかかった。


誰が喋ってるのかわからないし、何行も何行も字が並んでるし。


それでも、なんとなく読み進めてしまって、読んでいるうちにむしゃくしゃした気持ちも消えちゃって。


全部読み終わったあとに、なにか憑いていたものが落ちたかのように、ふぅーっと大きく息を吐いた。


傷つけられる女の子の気持ちも、悪役になったヒロインの本当の気持ちも、考えたことなんてなかったから。


｢ごめんなさい……だね｣


今までの自分が恥ずかしくなって、どうしようもなくやり直したくなった。


ルールを見直して、指摘してくれた人に謝って、作品を消して。ひかりんだけは最後まで粘ってくれていたけど、すっぱりとやめることができた。……いつか、あの子も気付いてくれるといいな。自分が、どれだけひどいことをしていたのか。



今は、アカウントを新しくして、また小説を書けるように頑張っている。親切な人に書き方のアドバイスを貰って、少しでも誰かのための、自分のための、小説を書けるように。他の人の作品もたくさん読んでるから、ストレスが溜まった時にはそれを読んでドキドキしたり、時々泣いちゃったり。


自分をダメダメにしたり、反対にすごく素敵な人にしたり。そんな機会をたくさんくれたこのサイトと、もう少し一緒に成長していきたいな。



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あれから半年後。



｢あーっ、疲れた!! それにしても私、大分タイピングうまくなったなあ……｣


保存ボタンを押して、大きく伸びをする。


いつもの癖だけど、もう昔の私じゃない。この間、初めて順位も貰えたし、もっともっと頑張れそう。


久しぶりに、他の人の作品も読んでみよう。


半年前ハマっていたあの漫画の、人気ランキング一位の作品を見てみる。


おっちょこちょいな私は、またタイトルを読むことなくクリックしてしまった。

思い出したくない半年前が、甦ることに気づかないまま。


｢皆、なんで私の言うことを聞かないの？ねぇ。【悪女主】｣





to be continued……?




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文つめつめのオリジナル小説に味をしめた筑紫ちゃん、最近はこんな小説がお気に入りだとか。

事件現場御紹介旅行

友人作、ちょっとホラーな小説です。この作品の読者の皆さんならきっと楽しめるはず。ぜひ読んでみてください。


(宣伝でした！ 次回各作品の解説いたします!!)

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