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昼食のあと、長めの昼休み、クラスは高校生だっていうのにバタバタと走り回る人で騒がしい。



端からみたらほとんど表情は変えてないだろうけど、内心は地震と火事と津波が同時に来たようなもので、私は今、かなり慌てている。




コンタクトが取れた。咄嗟に片目を押さえて、床に落ちているはずのそれを探しているところ。床に這いつくばってるこの状況、アホらしいけど幸いにも私を気にとめる人はいない。





あった。見つけた、けど……見つけたときには、すでに目の前をクラスメイトが通り過ぎたあと。無惨にもレンズは埃まみれで、とてもつけられる状態じゃなかった。



朝からずっと目がゴロゴロして痛いから、おかしいと思ったら。替えのコンタクトなんて、用意してない。高いし面倒くさいからってワンデイタイプにしてなかったのが裏目に出るなんて。




保健室行って眼帯でも貰う?ダメだ、片目押さえた状態でここから一階まで降りて行くなんてその前に怪我で保健室運ばれる。ハンカチ当ててるなんて泣いてると勘違いされて余計に注目集めるし。




「おい、どうした、月影」




前に座ってるクラスメイトが振りむき、声をかけてきた。咄嗟のことに慌てて右手を払った瞬間、彼とばっちり目があってしまう。



「おい、お前、その目……」



やってしまった。完全に見られた。クラス人気の高い男子と見つめあってるシチュエーションになってしまい、なにごとかと彼の友達がぞろぞろと集まってくる。



「月影、だっけ、なんだよその目! 厨二病かなんかなのか? めっちゃウケる」



「いや、普通に気持ち悪いでしょ、左右で目の色が違うなんて」



「そもそも黄色い目ってのもかなり変わってるよね、見た目違うからってなんか突き放したような感じだったし」



好奇の視線、引いたような顔、ひそひそとこちらを見ながらの噂話。


コンタクトというフィルターがない私の目に、その光景は嫌というほど焼き付けられる。


耐えられない、怖い。助けて。



……誰が、助けてくれる?



「はい、そこまで。もうチャイム鳴るから、さっさと席着きな! 月影さんは調子悪いなら保健室連れていくから、私に付いてきて!」



クラス委員の彼女が放った鶴の一声によって、私の机の回りにたかっていた野次馬はバラバラと離れて行った。



「さ、行こう?」



多少の警戒心を持ちながらも、私はその手を握った。

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ユウピィ(プロフ) - 面白かったです。あとコメントをチャットのように使うの禁止なんですね。わたしの作品にコメント付く前に知れて良かったです。 (11月7日 0時) (レス) id: c1f9464c72 (このIDを非表示/違反報告)
河原美羽奈(プロフ) - 魔女さん» ありがとうございます……!そのようなことを言われたのが初めてなので正直驚いています。他にもいい作品、たくさんあるはずです。占ツクは侮れないです。ぜひ探していただければ、と思います。 (2019年1月7日 8時) (レス) id: 1e0898c908 (このIDを非表示/違反報告)
河原美羽奈(プロフ) - 飴玉さん» 何かがきっかけで、飴玉さんが変われていたのなら自分も嬉しいです。コメントありがとうございます。 (2019年1月7日 8時) (レス) id: 1e0898c908 (このIDを非表示/違反報告)
魔女 - 最高傑作です!これ程にも作り込まれた小説をこのサイトで見たのは初めてです。 (2019年1月7日 0時) (レス) id: 0ba778a579 (このIDを非表示/違反報告)
飴玉 - 筑紫ちゃんが、、、、完全私だ;゚Д゚) (2018年10月8日 17時) (レス) id: aea70470cb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:河原美羽奈 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年8月13日 19時

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