最年長のハリネズミ (ページ11)

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優しい引力(黄色) ページ11

原石と雪男とグループの違う僕ら。
これまではグループ共通での仕事しかなかったから沢山は話せなかった。

ある日、グループではなく原石と雪男からは目黒と僕が出演するという珍しい２人でのお仕事。グループの雪男から誰もメンバーがいない彼は心細い様子。年上として、彼を精一杯フォローした。
目黒は、背が高くてイケメンで、ちょっと頭が弱い所とか、なんとなくジェシーに似ていてほっとけなかったんだ。

本来であれば、デビューが決まったグループは単独の仕事だが、この時ばかりは雪男という頼り甲斐のあるメンバーと一緒に仕事できることに感謝しかなかった。

同時デビューのおかげで、原石と雪男は番組、雑誌など色んな仕事を共通でこなしていく。その度に会うもんだから、あの番組以降、目黒の距離も縮まっていった。

そんな中、デビュー日決定の緊急ライブ配信。

この中で、恋人にするなら誰？という定番の質問がきた。こういう質問には、常にジェシーと答えていたが、今日は雪男とも一緒。それなら、雪男から選ぶ方がいいだろう。そう思い、阿部ちゃんを指した。

結果、阿部ちゃんとカップルとなったが、目黒が俺を選ぶという予想外のことは俺を驚かせた。今度、こういう機会があれば目黒を選ぼうと俺は密かに決意する。

デビューも終えるとこれまでのように２グループの出演はなくなり、会える仕事はどんどんなくなる。目黒との距離も縮まりつつあったが、あともう少しというくらいのなんとも言えない距離で離れつつあった。

そんな時、某番組で河合くんのアシスタントをすることが決まった。同時に、目黒も同じ番組の別の企画で河合くんのアシスタントをすると聞いた。

初アシスタント収録を終えると、目黒が早速声を掛けてきた。アシスタントになったことへの不安があるとの相談。俺もアドバイス出来るほどではないが、目黒の不安は身にしみて分かるから俺が出来るだけ寄り添った。

嬉しそうな目黒の顔見ると、俺もなんだか嬉しくなってくる。それからは、この番組の収録で目黒に会えるのが楽しみになってきた。

早く、次の収録で目黒と沢山話したいな。